豊洲市場「盛り土なし」誰の判断か特定できず 都が内部調査結果を発表
「連携不足」「報告済みと思い込み」
都はこれまで、都議会や都民に対し、盛り土を行なったとして事実とは異なる説明を行ってきた。 報告書では、その要因として土壌汚染と土木、建築のそれぞれの担当者の連携不足を挙げ、「虚偽であるとの認識はなかったが、結果として説明責任を十分に果たしたとはいえない」とした。ホームページに盛り土された状態のイラストを掲載し続けたのは、土壌汚染対策の基本的考え方を示す概念図との認識だったためと説明した。 専門家会議や技術会議に報告しなかったことについては、建物下のコンクリートの厚さなどから安全性は十分だとの認識と、2008年12月の第8回技術会議で報告済みだとの思い込みによるものとした。 今回の問題で初めて事実を知ったという岸本市場長は、「盛り土がなされていないことを当然知っておくべき立場にありがなら、理解が十分でなく、間違えた説明を繰り返したことについて深く責任を感じている」と陳謝した。 両氏とも再三反省の言葉を口にしたが、今後の責任の取り方について、中西副知事は「今日は報告書をまとめたところ。当面は議会でしっかり説明していきたい」、岸本市場長も「同じ考え」と述べるにとどまった。 小池百合子都知事は、今回の内部調査について「十分ではない」との認識を示し、引き続き情報収集を進める意向だ。 (取材・文:具志堅浩二)