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恐ろしい…「実は、ハンコをついたら最後」日本の契約書の中身

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※本連載は、烏賀陽弘道氏の著書『敷金・職質・保証人―知らないあなたがはめられる 自衛のための「法律リテラシ―」を備えよ』(ワニブックス)より一部を抜粋・再編集したものです。

「契約書」を一字一句読むことの重要性

あなたのような普通の市民がごく当たり前の生活を送るうえで「契約書に署名・捺印する」行為は避けては通れません。 例えば、賃貸住宅を借りるときは家主との間で契約書を作ります。署名してハンコをつかなければ家を借りることはできません。 そのほか、自動車を運転するときには自動車保険に入るでしょう。持ち家に住んでいる人なら、マンションや一戸建てを購入するときに銀行ローンの契約書に署名・捺印したはずです。その家に火災保険や地震保険をかける。奥さんや子供がいれば、生命保険に入る。みんな、契約書に署名・捺印せねば発効しません。 お金を貸し借りするときもそうです。住宅改築や学資調達のためローンを組むとき。消費者金融からお金を借りるとき。 就職したり、アルバイトをするときも、本来は勤務時間や給与など労働条件を契約書にして取り交わします。そうしない企業は「労働に関する約束事を明文化して残したくない」という、何か隠れた動機があると見るべきでしょう。 住宅や仕事、金銭など、私たちの生活で死活的に重要な営みには、必ず契約書が登場します。重要であればあるほど、契約書を交わすと言った方がよいでしょう。それを避けて通ることはできません。 いやむしろ、契約書は「約束事」を文面にして証拠として残すためのものです。「口約束」をして、後から「言った言わない」の争いが起きるよりは、契約書を作った方が安全なのです。むしろ、金銭の貸し借りなど重要なやりとりで契約書を作らない相手は、その意図を疑うぐらいでちょうどよいのです。例えて言うと「お金を貸してくれ」と頼みながら、借用書を書かない相手は、返す意思がないと見た方がよいでしょう。 そういう「契約」をするみなさんすべてに強く、強く言います。 すぐにハンコをついてはいけません。 ハンコをつく前に熟考、再検討する時間を取ってください。そして契約書の一字一句を読んでください。一字一句、完全に納得できなければ、ハンコをついてはいけません。相手が業者なら、わからない箇所にラインマーカーで線を引いて、「これは何を意味するのですか」と、とことん質問してください。 納得できなければ、契約書の内容を書き換えるよう求めましょう。契約は当事者同士の合意にすぎません。文面は一つ一つ違ってよいのです。修正だらけでも、双方が納得すれば、それで契約は成立します。できれば弁護士に文面を見せて、セカンドオピニオンを仰いでください。 賃貸住宅などで「すぐに契約されないと、人気物件ですから他のお客様が契約してしまいますよ」と仲介業者が急かすかもしれません。そんなときでも焦る必要はありません。 私なら、1万か2万円(いくらでもよいのですが)を内金として渡し、領収書をもらいます。それで契約の意思があることを証拠付け「本契約は契約書を検討してからにします」と言います。契約するなら、仲介手数料から差し引いて精算すればよい。しないなら「気が変わりました」と言って領収書を見せ、返してもらえばよろしい。 待ってください。あなたの言いたいことは、わかります。 契約書の文章はなぜあんなに難しいのでしょう。用語、文章、すべてが市民の日常生活の言葉からかけ離れている。読んでも、その文章が何を意味するのか、わからない。そして活字が小さい。分厚い。冊子になった契約書まであります。あんなものを一字一句読み下せ、理解せよとは拷問に等しい(契約書の文面は改革すべきことですが、それはまた紙数が尽きてしまう大問題なので、深入りしません)。 難解極まる「外国語」のような内容を理解して、同意するのかどうか、決めねばなりません。そうした「通訳者」として弁護士のアドバイスを仰ぐことを勧めたいのです。 なぜなら、こういう現実があるからです。

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