大河「青天を衝け」尾高千代役・橋本愛さん、注目シーンなど語る「吉沢亮さん、同じにおいを感じた」
「近代日本経済の父」と称される埼玉県深谷市出身の実業家・渋沢栄一が主人公を務める大河ドラマ「青天を衝け」で、尾高千代役を演じる橋本愛さん。栄一のいとこで、のちの妻となる千代について「栄一と同じぐらい情熱があって、周りの幸せのために努力してきた人物」と役どころを語る。橋本さんが感じた千代の魅力について聞いた。(森本勝利) 吉沢亮さんサプライズでスクリーン登場 「青天を衝け」放送開始に合わせ、深谷でPV 埼玉新聞社も特別号
―大河ドラマ「青天を衝け」の放送がスタートしたいまのお気持ちは。 コロナ禍の状況でありながらも、視聴者の皆様に作品をお届けすることが出来て、ほっとしています。約半年前から撮影が始まっていたので、仕上がりが想像できませんでしたが、いまは毎週の放送が楽しみになっています。 作品内には軽妙な場面が散りばめられていて、あまり歴史の知識がない人でも、肩ひじを張らずに見られると思います。これまで大河ドラマに縁のなかった方々にも、ぜひ楽しんでいただきたいです。 ―演じる尾高千代役の見どころは。 作品での千代はかわいらしく柔らかい印象だけど芯があって、みんなに愛される女の子でありながら、内側には後の夫となる渋沢栄一同様の熱さを秘めています。栄一と家族になり、より人としての幹が太くなる様を感じてほしいです。 第3回では、兄の惇忠に「論語を学びたい」と訴える場面がありました。当時は、女性が学ぶことが一般的ではない時代。その思いを言葉にしてぶつけて現状を打破する姿は、同性としても惹かれますね。
―吉沢亮さん演じる渋沢栄一との夫婦シーンにも注目が集まります。 夫婦になってから、より二人の少女漫画味が強くなってきています。バックハグや少し照れくさいセリフなど、これは女の子がキュンキュンするために書かれたのでは、と思うような場面が随所に登場します。 意識しているのは「滲み出る愛情」。千代は上品なので、栄一への愛が思わず溢れそうになるのを抑えています。千代の心の葛藤や、妻として家を守る使命を果たしながら成長する様子を演じたいです。 ―橋本さんが考える「渋沢栄一」の魅力とは。 商才がずば抜けていて、いくらでもお金を稼げた人物だけど、周囲の人たちのために自分の才能を使ってきたところに、ぐっときました。道徳と算盤の両立は難しいことですが、生涯をかけて道徳を一番に重んじた上で、ビジネスに尽力してきた人物だと思います。 人の心を最も大切にして事業を進めることは、いくら頭では分かっていても実行するのは容易ではない。人はこうあるべきだという理想であり、心の底から尊敬しています。