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女子レスラーたちよ木村花さんの死に口をつぐむことなかれ 批判を強め、世の中がまっとうになってこそ報われる【山崎照朝コラム】

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中日スポーツ

 女子プロレス「スターダム」に所属するレスラーの木村花さんの死が世の中に疑問を投げかけている。死因などの詳細は分からないが、SNSでの誹謗(ひぼう)中傷が原因とみられる。木村さんはプロレスではヒール(悪役)を演じていてフジテレビ系の恋愛リアリティー番組「テラスハウス」に出演。出演時の内容を巡って批判を受けていたようだ。  木村さんは父親がインドネシア人で、母親の木村響子さんは女子プロレスラーでがちがちのヒールだった。幼少から会場に出入りし、母親を見て育った。設立したスターダムを「ブシロード」に身売りし、今は社員として勤める創立者のロッシー小川(小川宏)さんは「勝ち気な子でした。身長164センチで体格も良く目立つ子だった。なによりオーラがあった。これからの選手で期待も大きかった。ハーフで子どもの頃はイジメを受けていて精神面で弱さがあったのかも」と中傷を批判した上で木村さんの死を惜しんだ。  私もかつて全日本女子プロレスの特別コーチとして長与&飛鳥のクラッシュ・ギャルズ結成にたずさわった。まだ今のようなSNSが無い時代で、木村さんと同じヒールで一斉を風靡(ふうび)したブル中野は「憎まれて石投げられて金ためよう!」と名せりふを吐いて平然としていた。だが、今は時代が違う。選手への誹謗中傷は陰湿な形で行われている。中野の時のように直接罵声を浴びれば対応方法もあったかもしれないが…。  小川さんは「SNSを見るなと言っても気になって見ちゃいますよね。見ても俺のようにへっゃちゃらでいられればいいんだけど…」と自分への批判を例に挙げ、そして「木村の真面目な性格がアダになった」と悔しがった。  木村さんの死に口をつぐむ女子レスラーも多いが、元クラッシュギャルズの長与千種とライオネス飛鳥はそれぞれブログで誹謗中傷を批判し、木村さんの素質を惜しんだ。また、マスメディアでも今回の件が大きく取り上げられたことで多くの著名人が匿名での誹謗中傷を厳しく批判した。私もまったく同感だ。  今、プロレスは人気を取り戻しつつある。若者への発信力もある。女子プロレスラーたちよ、木村さんの死に口をつぐむことなかれ。批判を強め、世の中がまっとうになってこそ彼女も報われると思うのだが…。人の命まで奪うようになってはおしまいだ。罰則を含めた厳しい対応が求められる時期に来ている。(格闘技評論家=第1回オープントーナメント全日本空手道選手権王者)

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