「自分の言葉に責任を持たなきゃ」――“パーフェクト超人”三田友梨佳を支える「中居の言葉」
SNS全盛の昨今、自らの発信が批判を浴び、萎縮した経験を持つ人もいるだろう。まして、テレビで意見を言えば、“1億総ツッコミ”を受ける時代。そんな状況下にもかかわらず、フジテレビ・三田友梨佳アナウンサーのコメントが共感を呼んでいる。なぜ、彼女の発信は世間に受け入れられるのか。(文:岡野誠/撮影:殿村誠士/Yahoo!ニュース 特集編集部)
順風満帆に見えるキャリアの裏側
「4月から夜の報道番組のキャスターをやってもらいたい」 昨年1月。三田は、アナウンス室長から番組の担当変更を告げられる。安藤優子や高橋克実と司会を務めた『直撃LIVE グッディ!』からの独り立ち。『Live News α』への抜擢だった。 「大きなプレッシャーを感じましたが、安藤さんから『三田なら大丈夫。今のままでいいのよ』と背中を押していただき、等身大の自分で頑張ろうと決意しました。生放送中、スタジオにはカメラしかないですが、その先にいる視聴者の方々にわかりやすく伝えたい。最近は『オーバーシュート』や『ロックダウン』など横文字が多いですよね。言葉の響きに気を取られて、本来の情報が頭に入ってきづらいのではないかと思っていて。日本語で補足したり、自分なりに噛み砕いて説明したりするよう心がけています」
今年4月18日に放送された『さんまのFNSアナウンサー全国一斉点検2020』で“パーフェクト超人”の二つ名がつけられていた三田。彼女のキャリアは順風満帆に見える。 2011年4月にフジテレビに入社すると、1年目から局の看板番組『笑っていいとも!』『めざにゅ~』のレギュラーに起用された。千野志麻や高島彩、加藤綾子などが務めた『○○パン』シリーズも受け継ぎ、歌手デビューも果たす。 「『いいとも!』ではずっとテレビで見ていた方たちが目の前にいますし、毎回緊張でガチガチでした。そんな私を見かねてか、ある日、タモリさんがサングラスの奥にうっすら見える瞳をキラキラさせながら、『生放送は始まったら終わるから楽しんだもの勝ちだよ』とさらっと仰ったんです。すごく気持ちが楽になりました」 入社5年目、転機が訪れる。『めざましテレビ』から、新たに立ち上がる情報番組『グッディ!』への異動だ。 「番組立ち上げの時、プロデューサーに『三田なりの意見を発信して』と言われました。それまで自分の考えを述べる機会はほとんどなかったですし、周りは大御所の方ばかり。一言も発することなく2時間の生放送が終わってしまう日々が、最初は続きました。ニュースの理解も浅く、無力感にさいなまれました」