Yahoo!ニュース

IDでもっと便利に新規取得

ログイン

「僕たちは互いの『重荷』を分担することができる」──退役軍人支援に奮闘する世界的ミュージシャン、ジョン・メイヤー。

配信

  • この記事についてツイート
  • この記事についてシェア
VOGUE JAPAN

グラミー賞7冠を誇る世界的シンガーソングライターで、現代の三大ギタリストの一人とも称される天才ミュージシャンのジョン・メイヤー。音楽活動の傍ら、プライベートでは熱心に退役軍人の支援を続ける彼の信念とは。

退役軍人らが背負う「重荷」。

アメリカでは、11月11日を「退役軍人の日」と定めている。毎年、退役軍人らによる全米最大級のパレードが行われるなど、兵役を務めた全ての軍人に敬意を表する日だ。 2018年の退役軍人の日、ジョン・メイヤー(John Mayer)はインスタグラムにこう綴った。 「軍人として自らの命を捧げた勇士たち、無事任期を終え帰還した英雄たち、軍人から民間人の生活に戻る困難に直面している方々、そして、そんな彼らを支え続ける愛する家族や友人たち。今日、すべての退役軍人の方々に思いを寄せましょう」

アメリカ本土での戦闘がないため私たちはしばしその事実を忘れてしまうが、同国は、今なお戦時中だ。2001年のアメリカ同時多発テロをきっかけに、アメリカはアフガニスタンに軍事介入、以来、アフガニスタンでの紛争は「アメリカ史上最長の戦争」と呼ばれるほど泥沼化している。今も何万人もの米軍兵が、中東全域およびアフガニスタンに駐留しているのだ。 戦争は、兵士たちの身体だけでなく心にも深い傷跡を残す。戦場での想像を絶する過酷な経験から帰国後にPTSDを患う人や、従軍により生活環境が一変し、民間人の生活に足場を築けない人、社会からの孤立感から自殺に追い込まれる人もいる。退役軍人局(VA)の最新の報告書によると、2005年以降、退役軍人の自殺者数は増加し続けている。

急務とされる女性退役軍人のケア。

ジョンがこうした退役軍人のケアに関心を持ったのは、2008年、友人と共に海兵隊基地を訪問したことだった。 「その日は有名人が訪問するような特別な日ではなく、誰も僕が来ることを知らなかった。そのため、兵士らのごく普通の日常を知ることができました。あの日、負傷兵の兵舎に行った経験が、僕を永遠に変えたのです。軍務を行う人々への感謝が増したと同時に、彼らが背負っている途方もない重荷に驚きと腹立たしさを覚えました」 ジョンは、この経験をきっかけに退役軍人への関心を深め、2012年、科学者や臨床医らと共に彼らの支援に乗り出した。そして昨年3月には、戦争の傷跡をあらゆる角度から調査し、世間に伝えるために、退役軍人の心身の健康改善を目的とする「ハート・アンド・アーマー財団(The Heart and Armor Foundation)」を設立。彼のポリシーは、「言葉ではなく実際の行動(real action)で軍を支援すること」。同財団の成果として、これまでに学術誌への多数の論文掲載に加え、PTSDの新たな治療法や、女性退役軍人の栄養管理をサポートするスクリーニングツールなどを開発している。

【関連記事】