パリ五輪の公式モビリティはトヨタが提供する。その総数は3374台に
トヨタの電動モビリティがオリンピックをサポート
「パリ2024オリンピック・パラリンピック」の開幕まで2カ月(7月26日~8月11日、パラリンピックは8月28日~9月8日)、代表選考も佳境を迎えている。そんなパリで活躍する大会オフィシャルのモビリティは、前回の東京に続きトヨタが提供する。どんな乗り物が登場するのか、開会が迫るいま改めて紹介しておこう。 【写真】パリ五輪で活躍するトヨタのモビリティを見る 2024年7月26日からフランス・パリを中心に開催され、32競技・329種目で世界中のトップアスリートたちが競い合う第33回オリンピック競技大会。そんなパリで活躍する大会オフィシャルのモビリティは、国際オリンピック委員会(IOC)および国際パラリンピック委員会(IPC)のワールドワイドモビリティパートナーを務めているトヨタ自動車が提供する。 前回大会比でCO2排出量の50%低減を目標に掲げ、提供する公式車両はすべて電動車(EV、FCEV、HEVなど)となる。その総数は3374台となる見込みだ。大会期間中に、アスリート、関係者、スタッフ、ボランティア、観客のすべてが環境への影響を抑えながら安全で快適な移動が可能になるよう支援する。内訳は以下のとおり(BEV=EV)。 <電動化乗用車> FCEV(MIRAI):500台 BEV:1003台 WHEELCHAIR-ACCESSIBLE BEV:150台 PHEV:176台 HEV:845台 合計:2674台 <ラストマイルモビリティ> NEW APM:250台 C+walk S:60台 C+walk T:190台 WHEELCHAIR E-PULLER:200台 合計:700台 すでに3月より現地への搬入が始まっており、既存の量産モビリティに加え大会向けに新たに設計・デザインされたモビリティ(APM=Accessible People Mover)も含まれている。
7月26日に初公開となるふたつの電動モビリティに注目
●新型APM(New Accessible People Mover) 新型APMは、トヨタ・モーター・ヨーロッパが設計し、ポルトガルのカエターノで生産される。大会期間中に約250台を配備予定。身体に障害のある選手、主催者、ボランティア、観客(車いす利用者を含む)の移動のほか、大会開催中の物資の輸送や緊急救援車としても活用される。バッテリー式EVで一充電あたりの航続距離は100km、最高速度は20km/hに設定されている。 ●車椅子用電動プーラー(WHEELCHAIR E-PULLER) オーストリアのモビリティスタートアップKlaxon社と共同開発。通常の車椅子を電動車椅子に変換する補助装置で、200台を配備予定。利用者は簡単かつ自立した移動が可能になる。パラリンピック選手村では、約50台をKINTOモビリティアプリを通じてシェアモビリティとして村内で利用可能とするほか、開会式では少なくとも150台が、選手、国内パラリンピック委員会、スタッフによって使用される。なお航続距離は25km、最高速度は開会式中は3~4km/h、選手村では6~8km/hに制限される。 また、ユニークな試みとして使用済みの「トヨタ・コースター」のエンジン機関部を燃料電池モジュールに置き換えたFCバスが運行される。10台が製作され、主に来場者の移動に利用される。なお大会終了後は、現地でそのままモビリティとして運行される予定だ。
MIRAIやHEV/PHEVなどもバックアップ
お馴染みのMIRAI、車椅子のまま乗車可能なプロエースEV(WHEELCHAIR-ACCESSIBLE BEV)、 さらにPHEVやHEVなど会場間の移動などトヨタが強力にバックアップする。 また、コンパクトなラストワンマイルモビリティとして日本でもおなじみの「C+walk S」や「C+walk T」も会場で大活躍しそうだ。アスリートたちの華々しい活躍とともに、世界中から集まる観客たちが、日本の電動車テクノロジーに驚くことは間違いないだろう。