コロナ対応する名古屋の病院「救急患者が受け入れられない」 医療現場に募るもどかしさ
依然として続く、医療現場のひっ迫。名古屋の病院ではコロナ患者を受け入れられない状況が続いています。その背景を取材しました。 愛知・岐阜に出されている緊急事態宣言。 「入院患者の数は今を持っても500人を超えている。一番多かった720人に比べれば200人以上減っているが、まだ医療現場に相当の負荷がかかっている」(愛知県 大村秀章 知事) 宣言が解除されない背景には厳しい状況が続く医療現場のひっ迫があります。 「1月の中旬ぐらいからですね。コロナ専用病床が満床になって、そこからなかなか動かないですね」(名古屋掖済会病院 河野弘 病院長) 名古屋市中川区にある名古屋掖済会病院。 救急医療に特に力を入れている、地域の基幹病院の1つです。 この病院では、救急患者を受け入れる病床の一部、約20床をコロナ専用に切り替えました。 しかし、2020年12月にコロナの感染者が急増したことで、1月中旬からはほとんど満床の状態が続いているといいます。 一時期に比べ、感染者の数は落ち着いてきましたが、今も状況は変わっていません。
救急を断るケースが1月だけで約100件
背景にあるのが、入院の長期化です。 「入院している間に非常に機能が落ちて、感染のリスクがなくなったといっても退院できない人が多くなりました。ですから、病床がなかなか空かないという状況です」(名古屋掖済会病院 河野弘 病院長) 特に高齢者は症状が改善しにくいことに加え、持病があれば、完治した後も入院や治療が必要な場合が多いといいます。 病床に空きがなければ、コロナの感染の可能性がある患者を受け入れることはできません。 「ここは愛知県でも救急医療に力を入れている病院ですから、通常の救急医療と新型コロナの受け入れを両立するという方向でやってきました。1月はコロナの専用病床とかいっぱいになってきたものですから、それ以上はさすがに受け入れが難しくなり、救急車をお断りするというのが非常に増えました」(名古屋掖済会病院 河野弘 病院長) 救急を断るケースは、月に数件はあることだといいますが、コロナ禍で状況は一変。 断らざるを得なかった救急要請は、1月だけでも、約100件に及びました。