「ドライバーとして完璧だった」ライバルも認める“最速マシン”じゃなくても速いフェルスタッペンの異次元の強さ
派手さはないが、いままでだれも成し得なかった記録が誕生した。 11月23日の第22戦ラスベガスGPで、レッドブルのマックス・フェルスタッペンがチャンピオンシップを争ったライバルのランド・ノリス(マクラーレン)を抑えて5位でフィニッシュし、その差を63点に広げて4連覇を達成した。 【この記事の写真】まるでセナ!雨のサンパウロGPでひとり異次元の走りがヤバすぎた、かっこよすぎるフェルスタッペンの走り F1の最多タイトル獲得数はミハエル・シューマッハとルイス・ハミルトンの7回。また4連覇はシューマッハとハミルトン以外に、ファン・マヌエル・ファンジオとセバスチャン・ベッテルも成し遂げている。 では、今回フェルスタッペンによって実現された記録とは何か。それは「3番目に速いマシンで4回目のタイトルを獲得」したことだ。
マシンも速かった過去の王者たち
シューマッハは2003年に4連覇を達成。所属していたフェラーリは1999年からコンストラクターズ選手権を連覇中だった。シューマッハはさらに04年シーズンも制して5連覇。フェラーリもコンストラクターズ選手権で6連覇を果たし、まさに黄金時代だった。 ハミルトンが4年連続で王座を獲得した20年も、所属していたメルセデスは14年から7連覇を達成と無敵状態だった。 10年からのベッテルの4連覇でも、所属するレッドブルはすべてのシーズンでコンストラクターズタイトルを獲得。まさに最強軍団が成し遂げた記録だった。 ファンジオが4連覇を果たした50年代中盤はまだコンストラクターズ選手権が制定されていなかったため正確な比較はできないが、ファンジオが乗っていたマセラティやメルセデスが当時、常に優勝争いを演じていた強豪だったことを考えると、ファンジオがトップチームの一員として記録を成し遂げたことは間違いない。 レッドブルも22年と23年にコンストラクターズ選手権を制している。だが、今年は状況が大きく変わった。タイトルを確定させたラスベガスGP時点でコンストラクターズ選手権で3位のチームだったからだ。フェルスタッペンもこう語る。 「今年は序盤を除けば、僕たちのクルマは最速ではなかった。シーズン全体の70%は最速のマシンではなかったのにライバルたちに急激に差を縮められることなく、逆に終盤に広げて2戦を残してタイトルを確定させることができた。それが僕がこのタイトルを誇りに感じている理由だ」 レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表もその事実を認める。 「われわれにとって、今シーズンのターニングポイントはマイアミGPだったと思う。あの週末から、われわれのマシンはとてもドライビングしにくいものとなり、開発も迷路に入ってしまった」 マイアミGPは6戦目。レッドブルは開幕5戦で4勝してチャンピオンシップのリーダーとなっていたものの、そのレースでノリスがF1初優勝を遂げると形勢が徐々に逆転していく。フェルスタッペンは10戦目のスペインGPを最後に表彰台の頂点から遠のき、16戦目のイタリアGPで6位と惨敗したとき、ホーナーは「これでもうチャンピオンシップは手からこぼれ落ちていくかもしれない」と覚悟を決めたという。
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