アサガオが24時間咲く 花の老化抑える化合物発見 愛媛大と農研機構
愛媛大学と農研機構の研究チームが、花の寿命を延ばす新しい方法を発見した。植物の老化に関わる遺伝子を活性化させるタンパク質を制御することで、アサガオの花持ちが倍になった。老化関連遺伝子を制御するタンパク質は花の種類ごとに異なるが、研究チームは「この手法を応用すれば、さまざまな花の日持ちを延ばせる可能性がある」という。 花は、老化関連遺伝子を活性化させるタンパク質が、その遺伝子と結合するのを妨げれば、老化の時期を遅らせることができる。 実験のしやすさから、半日で枯れるアサガオを題材に研究した。農研機構の渋谷健市研究員が、アサガオの老化に「EPH1」というタンパク質が関わっていることを発見し、EPH1だけを取り出すことに成功。その後、愛媛大学の野澤彰准教授が、9600種の化合物の中からEPH1の働きを抑えることができる化合物「Everlastin(エバーラスチン)」を発見した。 農研機構が、アサガオの切り花を水に浸した場合と、エバーラスチンの溶液に浸した場合で、花の日持ちがどう異なるのか調べた。水では12時間でしおれたのに対し、エバーラスチン溶液では24時間後も開花した状態を維持できた。 エバーラスチンが、アサガオ以外の日持ちにも影響するかは研究中だが、同様の手法を使うことで他の植物にも効く化合物が見つかる可能性があるという。愛媛大学は「農研機構と、他の植物などを対象に薬剤の開発を進めたい」としている。
日本農業新聞