カダフィ大佐殺害から2年、リビアは今どうなってるの?
首相を拉致した民兵組織の影響力
リビー逮捕に対して、リビアの議会や政府は「リビア国内でリビア国民を外国の軍隊が逮捕することは主権の侵害にあたる」として、米国への批判を強めました。しかし、一部メディアが「米国政府がリビア政府に作戦を事前に伝えていた」と報道。米国のケリー国務長官はこれを否定していますが、この報道を受けて民兵組織「リビア革命派司令室」がゼイダーン首相の「逮捕」を発表したのです。 革命派司令室は内戦時に台頭した民兵組織の一つで、内戦後は内務省の警護を担当していました。ゼイダーン首相はその日のうちに他の民兵組織によって救出され、拉致事件はひとまず収束しました。しかし、今回の拉致事件は、民兵組織のもつ影響力がいまだ大きく、しかもこれらが政府の指揮命令系統に必ずしも従わない状況を浮き彫りにしました。ゼイダーン首相は国民に平静を呼びかけていますが、新生リビアはさらなる混乱の淵にあるといえるでしょう。