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「恣意的なものを感じる。上の人たちは批判を怖れているのではないか」京大・宮沢准教授が東京都のロードマップに異議

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ABEMA TIMES

 26日、緊急事態宣言が全面解除された。しかし、ウイルス学の研究者の立場から独自の提言を続けてきた京都大学ウイルス・再生医科学研究所の宮沢孝幸准教授は、まず緊急事態宣言そのものについて「感染日を推定した国の資料(グラフ)を見ると、実は4月7日の発令の前から実効再生産数は1を下回って収束に向かっているし、感染者数も3月27日をピークに減っている。あくまで推定値ではあるし、緊急事態宣言によってブレーキがかかったというふうに考えてもいいが、3月27日~4月7日くらいまでの自粛でも十分だったとも読み取れてしまう。データは遅れて出てくるので致し方ないと思うが、この意味については専門家会議でもちゃんと検討する必要があると思う」と指摘する。 【映像】ウイルス学の専門家「東京はちんぷんかんぷん」「科学的より“けしからん“で判断」

 また、宮沢准教授は東京都の「ロードマップ」に対しても、自身のTwitterに「ごめんなさい。本当にダメ。東京地図。ちんぷんかんぷんというかトンチンカンというか。特定業種に対しては、一生懸命工夫して再開する努力もしてはならぬ、ひたすら寝ておれ、そして餓死したまえ、というような死刑宣告」とも投稿するなど、厳しく批判している。  東京都の休業要請緩和は26日から「ステップ1」に移行しており、今後2週間ずつを目安に様子を見て、順調に行けば約1カ月にはステップ3に移行する見通しだ。ただ、このステップ3でも、接待を伴う飲食店やライブハウスについては当面の間、休業要請が緩和されない見通しだ。宮沢氏が懸念を示しているのが、この点だ。

 「分からないことだらけだ。例えば漫画喫茶は図書館と何が違うのか。食事がダメというのであれば、食事を袋物だけにすればいい。ジムなども工夫によってはできる。接待を伴う飲食店は本当に難しいが、居酒屋などは営業時間よりも内容が重要であって、皆でどんちゃん騒ぎをしてはいけないということだ。科学的というよりは、“こういうことはけしからんからいいよね”という、何か恣意的なものを感じてしまった。私は音楽が好きなので、個人的にライブハウスのガイドラインの作成委員もやっている。一生懸命、“こうやったら開けるのではないか”“こうやったら安全ではないか”と考え、5月始めくらいからは再開してもいいのではないかと言っていた。しかし東京都のロードマップを見ると、ガイドラインを出すも何も問答無用にダメだという話だ。ばっさり切られてしまったという感じだ。“これはライブハウスじゃ終わった”と、ガックリきてしまった。ライブハウスの企画物は、数カ月前から準備しなければいけない。いきなり7月1日からOKと言われても対応できない。早め早めに言ってくれないと無理だ」。  ジャーナリストの堀潤氏は「そもそも自粛の背景には、医療崩壊を防ぐという目的があった。状況がだいぶ落ち着いてきた今、病床使用率もかなり下がってきている。そういう意味では、東京の場合は経済活動や人の動きを過剰に制限しすぎなのではないかと思ってしまう。例えば映画館では観客も静かにしているわけだし、非常に早いペースで空気の循環が行われているので、クラスターも発生していない。しかし残念ながら神奈川県では映画館に行政から電話が入ったというケースもある」と指摘。編集者・ライターの速水健朗氏は「業界ごとの自主性みたいなものが必要だと思う。例えばドイツのサッカーリーグでは、再開にあたってスタジアムに入れる人数などのルールを自主的に決めた。日本では専門家がこう言ったからというのを政治がルール化しているが、もうちょっと、その間のルールがあるといいと思う。もっと業界と消費者がオープンなところでやりとりができれば、お互い分かり合うことができるのではないか」と話す。

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