北陸新幹線の新規開業区間を初公開 ── E7系車両が大宮駅を出発
JR東日本とJR西日本は5日、3月14日に開業する北陸新幹線の報道向け試乗会を実施しました。長野~金沢間の新規開業区間が公開されるのは初めてです。
9時9分 試乗会に先立って、関東方面からの報道向け特別列車の始発駅となる埼玉県の大宮駅には、に北陸新幹線で使われる予定のE7系新幹線12両編成が静かに入線しました。報道関係者だけでなく、鉄道ファンらも一斉にシャッターを切っていました。 開業後は、一部のあさまを除く列車に同車およびJR西日本所有の同型車W7系が使われるほか、特別車両のグランクラスでは沿線の食材を使った軽食や酒類が提供される予定です。 10時42分 特別列車は長野駅を出発し、新規開業区間へと入線します。特別列車は「かがやき」を想定したダイヤとなっており、長野以降は富山のみ停車します。途中、飯山駅を通過した列車はすぐに新潟県と長野県の県境を結ぶ飯山トンネルへ差し掛かります。このトンネルは全長22.225kmで陸上の鉄道トンネルでは日本で3位の長さとなります。 試乗会当日、関東地方とは打って変わって北陸方面は晴れており、新潟県の上越妙高駅付近で見られる妙高の山々や黒部宇奈月温泉駅付近で見られる立山連峰などの車窓が広がりました。また、最も海岸線に近づく糸魚川駅付近などを始めとして、車窓右手には日本海を望むことが出来ます。美しい山と海を両手に楽しめる、とても風光明媚な車窓の路線と言えるでしょう。 11時50分 列車は終点となる石川県の金沢駅へ到着します。金沢駅は石川県の伝統工芸が散りばめられていることが特徴です。ホームの支柱には石川県がほぼ製造量を独占する金箔が2万枚以上使用されているほか、待合室の壁には伝統工芸品30品目236点が埋め込まれています。 北陸新幹線は最高時速260キロで東京~金沢間を最速2時間30分で結びます。運転区間、停車駅が違う列車が運行され、開業時には東京~金沢間の主要駅のみ停車する速達タイプの「かがやき」とそれに次ぐ一部停車タイプの「はくたか」、富山~金沢の区間運転となる「つるぎ」、東京~長野間の「あさま」の4種類が設定されます。 JR金沢駅の辻昭夫駅長は「日本海の幸を楽しむといった観光での交流のほか、ビジネスでの交流も盛んになる」と期待していました。
------ 北陸新幹線は、全国新幹線鉄道整備法に基づき1973年に定められた、東京から大阪駅までを北陸地方を経由して結ぶ構想の路線です。1997年に高崎駅~長野駅が「長野新幹線」として先行開業しました。2015年3月14日には、石川県の金沢駅まで、2022年には、福井県の敦賀駅まで延伸して開業が予定されています。