阪神、ヤクルトなどの「若き大砲候補」に注目、来年“ブレイク”の予感ある選手は?【野手編】
今シーズンも多くの新星が登場したプロ野球。ルーキーでは武内夏暉(西武/ドラフト1位)、古田島成龍(オリックス/ドラフト6位)がチームに欠かせない戦力となり、また2年目以降の選手では井上温大(巨人)、桐敷拓馬(阪神)、鈴木昭汰(ロッテ)、矢野雅哉(広島)、田宮裕涼、水谷瞬(いずれも日本ハム)などが印象に残るパフォーマンスを見せた。まだオフに入ったばかりで少し気が早いが、来シーズン彼らのように一気に主力となりそうな選手を探ってみたいと思う。今回は野手についてだ。 【写真】来年“ブレイク”の予感ある「投手」がこちら ルーキーの野手では5球団競合となった宗山塁(明治大→楽天1位)に注目が集まるが、もう1人面白いのが広陵でチームメイトだった渡部聖弥(大阪商業大→西武2位)だ。高校時代はそこまで目立つ存在ではなかったものの、大学では1年から不動のレギュラーとなり2年春にはリーグ記録となるシーズン5本塁打をマーク。その後も安定して結果を残し続け、大学日本代表でも中軸として活躍した。 持ち味は広角に長打を放つなど、対応力と長打力の高さを兼ね備えているところだ。昨年の大学選手権でも東京ドームで打った瞬間に分かるホームランをライトスタンドに叩き込んでいる。また、たくましい体格でも脚力があり、センターに加えてこの秋はサードでも安定したプレーを見せた。西武は今年貧打に苦しんでおり、打線強化という意味では極めて大きい補強と言える。サード、外野のレギュラー争いに加わる可能性は高く、1年目から宗山を超える成績を残すことも期待できるだろう。 ルーキー以外の野手では、渡部と同じ右の強打者タイプである井上広大(阪神)にかかる期待も大きい。履正社では主砲として3年夏に全国制覇を果たし、2019年のドラフト2位で入団。チーム事情もあってなかなか一軍定着を果たせずにいるが、二軍では結果を残し続けている。 今年も5月に一軍昇格した時は結果を残せず、すぐに登録抹消となったものの、シーズン終盤にはプロ初ホームランを含む3本塁打を放ち、限られた出場機会で結果を残して見せた。外野手では後輩である前川右京が先に結果を残しているものの、チームは大山悠輔の去就が微妙な状況で、森下翔太以外の右の大砲が必要な状況であることは間違いない。藤川球児監督が自分の色を出そうとして抜擢することも十分考えられるだけに、春から結果を残して1年を通じての一軍定着を目指したい。