危機感を結果に変えた才気あふれるナンバー10。流通経済大柏高校・柚木創はピッチにファンタジーの魔法をかけ続ける 【NEXT TEENS FILE.】
その10番には小さくない危機感があった。「選手権が終わって1試合目のプレミアだったので、スタートで出させてもらったからには自分が結果を出さないといけないと思いますし、10番の責任も感じていました」
プレミアリーグEAST第20節。昌平高校とアウェイゲームを戦う流通経済大柏高校のナンバー10。公式戦では1か月半ぶりとなるスタメンに指名された柚木創は、いつも以上の気合を入れて、この日の一戦を迎えていた。
10月上旬に行われたプレミア第17節の柏レイソルU-18戦で捻挫を負ったことで、そこからはコンディションが低下。以降のプレミア2試合は欠場し、全国出場を懸けた高校選手権予選に入ってからもスタメン起用はなく、ベンチから仲間の躍動を見守りながら、途中出場する試合が続く。
「みんなが点差を付けてくれて、気持ち的には凄く楽な状況で試合に出させてもらっていたので、チームには凄く感謝しています。でも、そういった中で自分が出てから、もう一段階や二段階はギアを上げなきゃいけないという中で、あまりチームとして上がり切らなかったのは大きな反省点で、自分の中では少し心残りがあるような選手権予選でした」。流通経済大柏は見事に千葉制覇を果たし、3年ぶりの全国切符を手にしたものの、柚木は自身のパフォーマンスに納得がいっていなかった。
「彼は選手権で悔しい想いもあって、サッカーノートにも『自分が出ていないチームが勝つのは、嬉しいけど悔しい気持ちもある』と書いてあったので、いろいろなことに向き合っていることが、日々の成長に繋がると思いますし、少し大人に近付いてきているところもあって、ここから1か月は彼にとって凄く良い時間になると思いますね」。そう笑顔で話した榎本雅大監督は、柚木を1トップ下の位置でスタートから昌平戦のピッチへ送り出す。
試合は立ち上がりから流通経済大柏の勢いが鋭い。前から粕谷悠と柚木がハイプレスを敢行し、相手のパスワークを制限しながら、ボールを奪ってからの切り替えも速く、ゲームリズムを引き寄せると、18分には粕谷が先制弾をゲット。チームは幸先良く1点をリードする。
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