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台風10号 熊本の被災地 暴風襲う 人吉など落果被害

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日本農業新聞

 台風10号は7日、九州西岸から朝鮮半島へ通り抜け、各地に暴風・大雨をもたらした    熊本県JAくまの果樹研究会クリ専門部長で、人吉市の高野和夫さん(70)の園地では栗の落果被害が出た。豪雨を乗り越え、ようやく出荷が見込めるようになった直後だった。高野さんは「収量は予想より2割ほど落ち込むだろう」と残念がる。部会全体の被害も心配だ。  高野さんは1・5ヘクタールで5品種の栗を栽培する。周囲では6日午後7時ごろから天気が荒れだした。激しくなる暴風雨の音に、「夜はほとんど眠れなかった」という。  7日に園地に行くと、多くの栗が落果していた。落ちても通常通り販売できる、完熟したものが多かったのは不幸中の幸いだった。だが、これから出荷が本格化する品種は一部出荷できない。  JAは7日から被害状況の調査に着手。JA営農部によると、梨や栗では2、3割程度が落果の被害が出ているという。また、一部で枝折れなどもあるようだ。7日の調査を基に被害金額を集計する。  同じく7月豪雨で被災したJAあしきたも7日に情報を収集。水稲で一部が倒伏する被害を確認した。果樹類への影響は取りまとめ中だと説明する。

オクラ日本一産地 今季収穫できず 鹿児島・指宿

 オクラの日本一の産地、鹿児島県指宿市では、露地栽培のオクラが風でなぎ倒される被害が広範囲に及んだ。JAいぶすきによると、本来は10月までが出荷時期だが、もう収穫できない畑もあるといい、被害状況の調査を急ぐ。    台風の被害が明らかになった7日、同市の鹿児島湾近くの畑では、直立しているはずのオクラの株が不規則に倒れていた。管理していた西中川祥並さん(32)は、この畑以外も同様に被害を受け、60アールのうち50アール超が収穫できなくなった。  オクラは風で擦れると正品率が落ちるため、畑に立てた支柱とロープで株を固定する。西中川さんは、コストが高い支柱などが破損するのを防ぐため、あらかじめ固定具を外していた。  通常は台風が来ても外すことはないが、気象庁の予報に危機感を覚えて対応したという。7月豪雨の浸水被害で弱っていた株がようやく持ち直してきたところで、苦渋の決断だった。「自分が選んだことで覚悟はできていたが、それでもつらい」  損失額は約500万円。新型コロナウイルス禍で収入が厳しく、経営継続補助金も受け取っていた西中川さん。冬の収入源であるスナップエンドウの出荷が始まる11月まで、ほとんど無収入の状態だ。「今は、スナップエンドウに取り掛かるしかない」。オクラ畑の片付けは後にして、懸命に前を向こうとしている。  近くのオクラ畑では60代の男性が、倒れた株を引き起こしながら、傷がついた実を取り除いていた。「潮風害もあって駄目かもしれないが、諦め切れない」。何とか今季の収穫を続けるため、男性は作業を続けた。

日本農業新聞

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