年収は600万円が一番コスパいいってよく聞きますけどなぜでしょうか? 800万円以上の収入だとどんなデメリットがあるのですか?
年収800万円以上のデメリット
年収が800万円を超えると、税金や年金に関する負担や制限の増加といったデメリットが生じます。特に年収が850万円以上になると、所得税や住民税の増加だけでなく、遺族年金や加給年金といった公的支援も一部制限されるケースがあります。 また、年収910万円を超えると高等学校等就学支援金が受けられなくなり、年収960万円を超えると児童手当も受けられなくなります。そのため、高収入が必ずしも手取りや将来の補償に有利になるとはかぎりません。 ■所得税と住民税の負担が増す 年収が850万円を超えると、所得税や住民税の負担がさらに大きくなります。2020年に改定された基礎控除や給与所得控除の制度変更により、高収入帯の税負担が増加しました。特に扶養家族がいない高所得者層への影響が顕著です。一方、子育てや介護を行っている家庭は所得金額調整控除の対象になり、税負担が一部軽減されるケースがあります。 ■遺族年金が支給されない 遺族基礎年金や遺族厚生年金は、亡くなった方に経済的に支えられていた遺族に対して支給される年金です。ただし、受給者の前年の年収が850万円を超えるか、所得が665万5000円を超える場合、遺族年金の受給資格を失うことがあります。ただし、およそ5年以内に定年退職などで年収850万円未満になると見込まれ、要件を満たすと判断される場合もあります。 ■加給年金・振替加算がなくなる 老齢厚生年金の受給者で、扶養する配偶者や子どもがいる場合に支給される加給年金や、配偶者が65歳になった際に支給される振替加算も、配偶者や子どもの年収が850万円未満か所得が655万5000円未満の条件を満たしていなければと対象から外れます。年収が850万円以上の妻を持つ夫は加給年金の受給対象外になります。
年収が高くなると税金の負担が増え手当が減る
年収が増加すれば手取りも増えると思われがちですが、実際には税金や手当の制限が増える傾向です。 年収600万円はコストパフォーマンスがよく、手取りを多く確保できる年収帯といわれる一方で、年収が850万円を超えれば税負担が増加し、加給年金や振替加算、遺族年金などの手当が制限されることがあります。負担しなければならない税金額や、生活に必要な手取り額を考えたうえで、受け取る年収の金額を調整するとよいでしょう。 出典 国税庁 No.2260 所得税の税率 国税庁 No.1411 所得金額調整控除 厚生労働省 遺族年金制度 日本年金機構 加給年金額と振替加算 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部