「ニキビには漢方薬が効果的」の噂を皮膚科医に直撃。根本原因に働きかけられるのが特徴
ニキビ治療には、さまざまな方法があります。ドラッグストアなどで市販されている薬を使ったり、皮膚科に通院したり、なかには漢方薬を使用しているという人もいます。「慢性化しやすいニキビには漢方薬が効果的」という話もあります。漢方薬の場合、生理前にニキビができやすい人向けなど、一人ひとりに適したものが処方されるそうです。そんな漢方でのニキビ治療について、あさかリードタウン皮フ科院長の小川智広先生に詳しく話を聞きました。 [この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]
ニキビができる原因とは?
編集部: まずは、ニキビができる原因を教えてください。 小川先生: 原因として挙げられるのが、皮脂の分泌が盛んになっているということです。思春期になると、男性ホルモンの分泌が盛んになります。すると毛穴の奥の皮脂腺から皮脂の分泌が活発になります。 編集部: 皮脂の分泌が盛んになると、なぜ、ニキビになるのですか? 小川先生: 皮脂を栄養にしているアクネ菌が増えるからです。アクネ菌は通常、誰もが皮膚に持っている常在菌です。しかし皮脂の分泌が盛んになると、毛穴が皮脂で詰まりやすくなり、そうなると、皮脂を栄養にしているアクネ菌が増えます。すると、増殖したアクネ菌が炎症を起こします。これがニキビの原因です。 編集部: 皮脂の分泌が盛んになるのは、思春期だけですか? 小川先生: いいえ、ストレスが強い人、脂っこい食事や甘いものを習慣的に摂っている人も、皮脂の分泌が盛んになることもあります。 編集部: 普段の食生活も、ニキビの原因になるのですね。 小川先生: また、マスクや髪の毛など外部からの刺激も、ニキビの原因になります。特にコロナ禍では、日常的にマスクをつけていますから、マスクが皮膚に与える刺激でニキビができたという人も少なくありません。 編集部: いろいろな要因がニキビを作るのですね。 小川先生: そもそも皮膚はターンオーバーといって、約28日のサイクルで古い角質がはがれ落ち、新しい細胞に生まれ変わっています。しかしターンオーバーがうまくいかなくなると、毛穴の出口が塞がれてしまい、皮脂が詰まってしまいます。これもまた、アクネ菌の増殖を招き、ニキビを増やす原因となってしまいます。