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【テストドライバーと一般道を走る】磨かれるジャガーFタイプとFペイス 前編

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AUTOCAR JAPAN

30年の経験を持つテストドライバー

text:Steve Cropley(スティーブ・クロップリー) translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)   クルマのダイナミクス性能を1日で評価する、最も良い手段とはなんだろう。ひいき目はなしに。 【写真】FタイプとFペイス ディフェンダー (115枚) もちろん、運転だ。よく理解している手応えのあるコースを、集中して運転する。クルマによってその違いは明らかになる。 事前にしっかりと行程を決め、クルマの準備を整える。ドライバーの準備も必要。感じたすべてを記録し、小さな感覚を拾い上げる。ゴールまでに、不確実な要素は排除する。 JLR(ジャガー・ランドローバー)のチーフエンジニア、マイク・クロスはこんなテストドライブを30年間行ってきた。彼の率いる熟練した「車両完成チーム」の存在が、ジャガーから、優れたドライビング体験を得られる大きな理由の1つになっている。 クロスのチームは以前、ジャガーが目指すべき本当の姿とは何なのか、基準を定めた。それを確実なものにするため、仕事に取り組んでいる。新しいジャガーは、彼が決めた性格付けがなされている。 改良のタスクには、2段階がある。開発初期に行われるものと、後期に行われるもの。 アイデア誕生から数ヶ月後、コンセプト段階から、車両完成チームはクルマの理想像を決定づけていく。顧客を喜ばせるクルマとは何か、細部にまで。「ランドローバー・ディフェンダーの場合、見た目通りの走りが必要でした」。クロスが振り返る。 プロジェクト開始から1年半ほどが経った頃、走行可能なプロトタイプが完成。チームは路上で一連の評価テストを開始する。エンジニアとデザイナーが、目標にどれだけ近づけられたのか、確認していく。

英国で良く走るクルマは、どの街でも良く走る

近年では、実体のないクルマをコンピューターでシミュレーションできる。プロトタイプは、完成形の90%くらいまでは仕上がっているべきだという。 つまりプロトタイプでは、微妙な調整作業を開始できる状態になっている。以前と比べて、必要な作業量は大幅に少なくなった。 ジャガーのプロトタイプは、世界中の環境で試験される。量産車として上層部の承認を受けるまでに、延べ80万kmの距離を試走するという。 最高気温が50度に達する砂漠から、氷点下30度の北極圏まで、ジャガーお決まりの試験場所がある。そこで、完全に機能するかが試される。 高速巡航走行は、ドイツのアウトバーンで。速度無制限区間だ。動的性能は、ニュルブルクリンクやナルドで評価される。また英国ゲイドンにあるJLRのテストコースでは、最高速度320km/hを超えるクルマもある。 といっても、これらは極端に厳しい条件下での話。多くのオーナーが、日常的なジャガーの運転で体験するような走りは評価できない。英国の道を快適に走れるクルマがほしいなら、英国の道で調整を受けることが重要。 英国の道路環境は、特に独特で厳しい。補修も完全とはいえない。英国で良く走るクルマは、どこの街でも良く走る。フランスやドイツのエンジニアも、それは知っている。

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