「親子2代のバッグを担ぐとは…(笑)」 父の元相棒・坂井キャディとタッグで増田康輔がツアーデビュー戦に挑む
<ACNチャンピオンシップ 事前情報◇2日◇三木ゴルフ倶楽部(兵庫県)◇6993ヤード・パー71> 国内男子ツアーであのアイドル発見!【写真】 今大会はツアー最年少出場記録となるアマチュアの福井誠之介(愛知・東郷町立兵庫小6年、12歳67日)と今年3月にプロ転向し、日本勢ではプロ最年少出場となる香川友(16歳64日)が注目されているが、もう1人、レギュラーツアーデビュー戦を飾る二世選手がいる。増田康輔、21歳である。 ツアー通算1勝で10シーズン以上シード選手として活躍した増田伸洋を父に持つ。伸洋はシニア入りした昨年、初優勝を遂げて賞金ランキング4位に入るなど、シニアの世界でも活躍している。 2002年生まれの康輔は、父がプロゴルファーでありながら幼少期から野球をやっていた。ゴルフクラブを握ったのは19年。現在は平川CC(千葉県)の研修生としてプロテスト合格を目指している。昨年のQTは受験しており、2次には進めずQTランキングは867位と通常ではツアー出場とは縁のない順位だ。 ゴルフを始めて5年。ビッグチャンスが巡ってきた。「オヤジから電話がかかってきて…」。今大会の主催者推薦での出場の打診だった。「まさかだったのでびっくりしました。せっかくいただいたお話しなので出させてもらおうと。いろんな人にも会えるし、勉強になると思うので」と即答で出場を決めた。 相棒となるキャディは、坂井恵氏を起用。長年、父・伸洋とタッグを組み、いまは欧州ツアーを転戦する川村昌弘のエースキャディである。川村が右手首の故障により長期休養に入ったこともあり、伸洋からのオファーもあって実現した。 キャディ歴20年以上で、ここ数年は欧州を主戦場としている坂井氏は、「ノブさん(増田伸洋)が一番長いですからね。まさか親子2代のキャディバッグを担ぐことになるとは(笑)」と笑みがこぼれる。「スイングは似ていないけど、アドレスに入るまでのしぐさとかはそっくりです。ゴルフをはじめて5年で、まだまだ伸びしろしかないと思うけど、意外とうまい。試合で緊張した場面でどうなるかわからないけど、4日間プレーできるようにしたい」と全力でサポートする構えだ。 父の伸洋は今週は「日本プロシニア選手権」に出場するため、会場でプレーを見守ることはできない。「俺が緊張していないといったら嘘になるけど、やるのは本人。(康輔の結果を)気にしながら俺もシニアでがんばる(笑)。康輔は緊張すると思うけど、自分にできるかぎりのことを精一杯やって、経験豊富なメグ(坂井氏)と二人でうまくやってもらいたい」と茨城県の地からエールを送る。 康輔は父のキャディとしてツアー会場に何度か足を運んでおり、声をかけてくれる先輩プロや関係者がたくさんいる。大会前日まではそれほど緊張感は見せない。「オヤジがいなかったら絶対にそんなことはないですからね。オヤジは一番身近でいろいろ教えてくれますし、目標であり、一番尊敬しています」。将来は父のように息の長い選手を目指す。 ドライバーの飛距離は280ヤード。持ち味は「100ヤード以内とグリーン周りのアプローチとパッティング」。デビュー戦は「2日間あるので、なんとかアンダーパーで回りたい。楽しみです、がんばります」。心強い相棒とともに、プロとしての一歩を踏み出す。(文・小高拓)