「チェーン店の方が居心地がいい説」は本当?玉袋筋太郎が語る町中華にしかない“旨み成分”
“町中華の所作”なんて、特にない
――いわゆる“味”を楽しむってことですね。 玉袋:そうだよ。自分の味も楽しめるようになると良いよね。 ――番組が始まるまで“町中華にひとりで行ったことがなかった”という意味では、初代女子メンバーの高田秋さん、坂ノ上茜さんも同じで、玉袋さんから町中華の所作を学んでいったと思います。 玉袋:所作なんて特にないと思うよ。これは種明かしになっちゃうんだけど、町中華のメニューって限られているわけじゃん。だから広がりを持たすために俺なんかは(番組内で一杯目のビールを流し込む際のルーティンとして)「気道確保」とか「洗浄」なんてやっているわけだよ。普通に食えばいいよ。 でもさ、初めて入った店でもやし麺にいきなりお酢をぶっかけちゃう奴っているじゃん。それもまた良しなんだけど、これは常連だけが許されることなんだよ。初めて行った店の料理にいきなり酢をぶっかけるのは、ダメだろうね。まずナマで食えってね。そういうのは恥ずかしいかもね。 ただ、俺から積極的に「町中華に行け、行け」とは言いたくないのよ。だって面白いものは自然と広がっていくし、興味持つ人がいるじゃん。みうらじゅんさんの趣味の話もまさにそうで、わかる人が共感してそこから広がっていく。それでいいのよ。
ボトルが並んでる町中華は“強えー”と思う
――町中華とチェーン店との違いはどんなところにあると感じていますか? 玉袋:味のレベルもチェーン店は安定してると思うよ。通えばチェーン店にだって馴染みの店員ができるだろうしね。でも町中華には“何かここが良いな”っていう独特の部分がある。チェーン店は個性を出せないじゃない。富士そばは店舗ごとに個性があるから俺は好きなんだけどさ。それで自分に合わなかったら、やっぱり行かなきゃいいんだよ。スナックもそうでさ、ママさんと馬が合えば、常連になればいいんだよ。 ――そうですね。言い方はドライですけど、あくまでも選択権はこちらにあるというか。 玉袋:そうだよ。ただ町中華はスナックや居酒屋と違ってボトルキープがあんまりできないじゃない。でもこの番組でロケに行ったりすると、たまにボトルが並んでる店があったりするわけ。そういうとき「ここは強えーな」って思う。常連たくさん抱えてるんだろうなって。 ――面白い視点ですね。そこで顧客の熱量も感じ取れるというか。 玉袋:うん。そういうところからもストーリーを勝手に展開しちゃえばいいんだよ。近所の会社の人たちがここで飯食って、楽しくなって帰ってるんだなとかさ。そんなところもお客を大事にしている証拠だしね。 物事を真正面だけじゃなく、いろんな角度から見て、自分の中で展開する楽しみっていうのは、町中華や居酒屋にあるんだよ。でもそれは俺の趣味の話ってだけで、どこの店でもあるのかもしれないね。そうやって物事を見ることで、自分の中の引き出しも増える気がするよ。 <取材・文/中山洋平 撮影/市村円香>
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