大洋デパート火災から51年 教訓を後世に【熊本】
テレビ熊本
熊本市の下通アーケードにあった大洋デパートで買い物客など104人が犠牲となった火災から29日で51年です。 熊本市は去年、この日を『消防避難訓練の日』と定めていて、29日朝、下通アーケードの商業施設では訓練が行われました。 1973年11月29日に熊本市の繁華街で起きた大洋デパート火災。死者104人を出す国内のデパート火災史上最悪の大惨事となりました。 店側は避難訓練を行わず、従業員は消火器の使い方がわからず初期消火に失敗。 館内放送も流れないばかりか店からの119番通報はなく避難誘導も遅れたことが多くの犠牲者を出した原因とされています。 この教訓を後世に伝えようと、熊本市は去年、11月29日を『消防避難訓練の日』と制定しました。 けさ大洋デパート跡地の商業施設で行われた訓練は店内から出火した想定で行われ、従業員が買い物客の避難誘導の手順などを確認。 消防隊隊がアーケードの屋根を開き逃げ遅れた人をはしご車で救助し、放水する訓練が行われました。 【遺族 原田 道羊 さん】 「慰霊碑に花を持っていく父だけではなく104人の亡くなられた方に『これからも皆さんを守っていけるように見守ってください』と」 また29日は、現場のそばで当時の様子など火災の概要を知ることができるパネル展も開かれ、道行く人が足を止めていました。 刑事裁判の判決文はこう断罪しています。 「通報と避難誘導が行われたならば全員無事に避難できたであろう」
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