橋本環奈、朝ドラ「おむすび」 番組タイトルに込められた大切な思い
＜ニッカンスポーツ・コム／芸能番記者コラム＞ 橋本環奈（25）主演のNHK連続テレビ小説「おむすび」（月～土曜午前8時）が30日から始まる。番組タイトル「おむすび」には阪神・淡路大震災への大切な思い込められている。 平成時代の神戸、福岡、大阪を舞台に、平成に元号が変わった日に生まれた橋本演じるヒロイン、米田結（よねだ・ゆい）が、ギャル文化と出会い、やがて栄養士として「縁・人・未来」と大切なものを次々結んでいく青春物語。 「1日の始まりに元気を届ける朝ドラで、震災を描いてもいいのか」 制作統括・宇佐川隆史氏は制作チームで、何度も話し合ったという。 結は福岡・糸島に移り住むまでの約6年間を神戸で過ごす。1995年1月17日、商店街にある理髪店の自宅で震災に遭い、家族で福岡県糸島市に移り住む。来年1月に発生から30年を迎える阪神大震災を劇中では、その瞬間とその後を正面から描く。 「真正面から震災を描いてもいいのか。きっと見ることができない人もいるのではないか。制作チームの間で何度も話し合う中で、さまざまな葛藤がありました」 宇佐川氏らは、震災発生からまもなく30年になる今だからこそ、朝ドラで震災を描く意味があると得心した。 「かつて起こった出来事を、決して忘れないこと。そして今も被災されている方々の苦難を、人ごとではなく、自分事として感じてもらうこと。朝ドラだからこそ、それがかなえられるのではないかと考えた」 放送が始まる前に神戸編についての詳細を発表した。事前にドラマの内容を告知することについて、さまざまな意見があったが、異例の発表に踏み切った。 「不意に震災の様子を目にしてしまい、震災経験者の方々、さらには今も避難されている方々を傷つけてしまうことを、できる限り避けたいという思いから」と宇佐川氏。 結は青春時代を糸島で過ごした後、栄養士を目指して専門学校に通うため、神戸に戻ってくる。 1月17日は、国や兵庫県などが制定した「おむすびの日」。震災時に炊き出しのボランティアが活躍し、配られたおむすびが被災者を勇気づけた。ご飯の大切さやボランティアの善意を忘れないようにとの思いが込められている。 宇佐川氏は「ドラマのタイトルには、縁や人を結び、つなげてゆく“ヒロインの歩み”を象徴する意味も込められているが、『おむすびの日』もこのドラマでとても大切な意味を持っている」と説明した。 栄養士となったヒロインは、食の知識で心と体を支え、人々の未来を結んでいく。 「『おむすび』というタイトルに込めたこの思いが、少しでも皆さんの心に届けられるよう、チーム一同、全力で制作したい」 結が人と人をむすぶ。【松浦隆司】
