【料理家・飛田和緒さんの自宅の本棚】スタジオだった地下室を改築、書棚の鮮度を保つレイアウト法も必見!
本棚には本好きさんの思い入れが詰まっています。今回ご紹介するのは、自らも料理本を出版している料理家 飛田和緒さん。読み返したいお気に入りの本が取り出しやすいようにレイアウトが工夫された飛田和緒さんの本棚から、お気に入りの本3冊もセレクトいただきました。 [写真]お気に入りの本が取り出しやすいようにレイアウトが工夫された本棚
飛田和緒/ひだかずお 料理家。1964年生まれ。素材を生かしたレシピが人気。近著は『野菜はやわらかく煮るほどおいしい』(グラフィック社)。朝日新聞出版からの新刊も上梓。
何度も読み返したくなる女性作家の本を中央に配置。
海を見下ろす高台に暮らす飛田和緒さん。愛読書はその地下室でみそ樽や梅干しと一緒に快適な温度で保管されています。元の住人の音楽スタジオだった地下室に、階段を設置して1階からの新たな導線をつくり、壁一面のCD棚を書棚として活用。 「書棚を単なる収納場所で終わらせたくないので、目に留まった本を引っ張り出しては何度も読み返したり、特に好きな作家の本を中央に揃えてみるといった感じで整理しています」と飛田和緒さん。
再読を重ねてきた作品たち。
「好きな本に日本の女性作家が多いのは、内容もいいのですが、文体のリズムがよくて読みやすいからです」 (飛田和緒さん)
『小さいおうち』中島京子 「作者が同世代だから、共感する部分が多く、 流れるような自然な文体の中に、ぐっと心に刺さる言葉がちりばめられています」文藝春秋 1,739円。
『類』朝井まかて 友人に勧められて『御松茸騒動』を読んで以来、大ファンに。時代物が多いのですが、堅くなくユーモアがあって、すっとその世界に引き込まれます」集英社 2,090円。
『塩狩峠』三浦綾子 「子供の頃から、本当に何回も読み返しているのはこの人。いちばん最初に読んだのは『氷点』。娘に勧めたら、文章が古すぎてわからないと言われてしまいました」新潮社 825円。
『ku:nel』2022年1月号掲載 写真/横山泰介 取材・文/黒澤弥生 再編集/久保田千晴