金谷拓実、初の賞金王へ執念の68 逆転タイトルへ「今までと変わりなく一打一打に全力を尽くす」【男子ゴルフ】
◇30日 男子ゴルフ最終戦 日本シリーズJT杯第3日(東京都稲城市、東京よみうりCC) 初の賞金王を目指す賞金ランク2位の金谷拓実(26)=ヨギボー=が68で回り、通算6アンダーの4位で最終日を迎える。同ランク1位の平田憲聖(24)=エレコム=は72とスコアを落とし、金谷と6打差の13位に後退した。優勝争いは中島啓太(24)が68と伸ばし、通算11アンダーで初日からの首位を堅持。3季ぶりの優勝を目指す片岡尚之(26)=CSテクノロジーズ=は1打差の2位につけた。 ◇ ◇ ◇ 「ダウン! ダウン!(早くグリーンに落ちろ!)」 。17番パー5、フェアウエー左サイドから第2打を打った金谷が叫んだ。その声に応えるように、大きな放物線を描いたボールはピンの右5メートルに着弾。イーグルは逃したものの、5つ目のバーディーとした。 3ボギーをたたいたが、「自分ができる最大限のプレーをできた」と言う。ピンに絡むショットはなかったが、執念でパットをねじ込み続けた。11番で4メートル、16番も下りの4メートル…。グリーンに近づくほど精度を増すタイプ。取材の際、必ず口にする「自分らしいプレーを」の通りの展開だ。 逆転賞金王が、いよいよ現実味を帯びてきた。今季は開幕戦で勝ち、10月のACNチャンピオンシップで今季2勝目を挙げてから、ずっと2位で平田を追走している。以来、4戦でトップ10を外したのが1度だけの安定ぶりだ。 金谷と平田が仮に3日目の順位で終えると、獲得賞金額は金谷が逆転する。平田が今週、いまひとつ精彩を欠いているだけに、金谷にはチャンスだ。それでも金谷は最終日に向け、変わった様子はない。「いつもと同じ。自分らしいプレーをして、最後までやり切る。今までと変わりなく一打一打に全力を尽くす」と、いつもと同じ言葉を残した。現時点では、ほかに5部門で1位をキープしている。最終日、最大の目標にしていた最後のピースを手に入れる。 ◇ ◇ ◇ ◆金谷の逆転賞金王の条件 賞金ランク1位平田、2位金谷の差は、289万円。金谷は2位(タイでも可)または単独3位、2人までの3位タイで、平田よりも上の順位であれば、逆転する。単独4位の場合、平田が単独10位、3人までの9位タイ以上なら、平田の逃げ切りとなる。 賞金王争いは前週終了時点でランク6位までの選手に可能性があったが、事実上2人に絞られた。
中日スポーツ