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篠原涼子が最終話で伝え続けた“ムダ” 『ハケンの品格』が描いた“働くことは生きること”の真髄

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リアルサウンド

 初めての派遣切りにあって傷心した春子(篠原涼子)は、長年の夢を叶えて東海林(大泉洋)らの元へ帰ってきた。衝撃のラストで13年ぶりの続編に幕を閉じた『ハケンの品格』(日本テレビ系)の最終話は、シリーズを通して描いてきた「働くことは生きること」というメッセージを改めて強く訴えた。 【写真】13年前の春子(篠原涼子)&東海林(大泉洋)&里中(小泉孝太郎)  グランドフィナーレに相応しく、第1シリーズから続く東海林や里中(小泉孝太郎)との思い出がギュッと詰まった60分に思わず目頭が熱くなる。高い声で表情を作りスピーチする春子の「数量限定でーす」がまた聞けたこと、そのスピーチが東海林の原稿であること、里中を「甘ちゃん」と呼び喝を入れる姿、社内でプロジェクトを賭けた勝負事をする、仕事のために漁に出ること、それらの全てが『ハケンの品格』が積み上げてきた歴史を想起させた。  そしてその春子の行動が、実はS&Fを救うスーパー派遣ではなく、血の通った人間の“愛”によって突き動かされていた行動だったことを、私たちは東海林のセリフで改めて認識する。「大前春子はここ(ハート)で動いている人間です」と社長(伊藤四郎)に熱弁をふるう東海林は、誰よりも春子を大切にしていた。だが、13年間、春子への思いを諦めきれずに抱え続けてきたことを吐露するものの、思いは叶うことはなかった。  一方で里中は、春子にプロポーズしたと思いきや、本人にはそんなつもりはなかったようだ。これには春子もなんだか残念そうな表情を浮かべた。普段はキレの良いツッコミで正社員にさえもどんどん切り込んでいく春子だが、こと恋愛となるとなかなか前へは進めない。里中に対しても、東海林に対しても、最終的な答えは出さなかったものの、「友情」と「愛情」を併せ持った特別な感情を抱いていたのではないかと思えた。  春子は恋愛について、「人間だけができるムダなこと」とAIとの比較を用いながら東海林と里中に諭す。AIとの囲碁勝負で「ムダ」という文字を碁石で打って、定時退社した春子に言わせると、失敗や悩み、恋する感情は人間特有の「ムダ」だと言う。しかしムダこそが、実は人と人の絆を強固にする重要なものなのではないだろうか。  そしてムダを繰り返しながら、また前を向き、走り出す姿こそ、「働くことは生きること」の真髄なのだろう。『ハケンの品格』は様々な働き方が広まりつつある今の日本で、「働くこと」と向き合うきっかけを与えてくれる作品だったように思う。

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