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月面移送を想定 7割軽量のショベル用部品開発 岡山・タグチ工業、JAXAと共同プロジェクト

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山陽新聞デジタル

 建設機械用アタッチメント製造のタグチ工業(岡山市北区平野)は、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)を使った軽量の油圧ショベル用部品を開発した。宇宙航空研究開発機構(JAXA)との共同プロジェクト。重機ごと月面に移送したり、災害現場にヘリで運んだりするといった将来的なニーズを見据え、鉄製の従来品より約7割軽くして輸送効率を高めた。  開発した部品は車体を支えるメインフレーム、腕部のアームとブーム、エンジンカバー、無限軌道のローラーの5種類。1トン級の小型ショベルをベースに、サイズを維持したままCFRPで試作した。  厚さ0・7ミリのCFRPシートを使い、型に合わせて数十枚貼り重ねる手法で製造。メインフレームは強度や剛性を補うため形状の設計をし直し、無限軌道部分のローラーはCFRPの周囲にゴムを巻くことで耐摩耗性を高めた。  部品の重量は、メインフレームが従来の199キロから45キロになるなど、それぞれ77~63%削減。エンジンなどを含めた車体全体で、1043キロから833キロに軽量化した。  性能を評価する掘削試験では、部品の破損はなく、操作性にも問題はなかったという。また軽量化により重心が下がったことで、安定性が増すとの利点も確認した。  プロジェクトは、JAXAが企業と連携して宇宙探査に応用できる技術開発を目指す「イノベーションハブ」の一環。月面に重機を送るには重さ1キロ当たり1億円の輸送費がかかるとされるため、タグチ工業は東京農工大(東京)とも連携し、2016年から軽量化に取り組んできた。軽い重機は、地上でも道路が寸断された災害現場にヘリで輸送するなど活用方法があるという。  実用性を備えたCFRP製ショベルの開発は世界でも例がないとみられ、タグチ工業は「軽量化のためのノウハウは当社の大きな財産になった。今後の製品に応用させたい」としている。  同社は、油圧ショベルのアームなどに取り付けるアタッチメントメーカーとして国内トップクラスのシェアを持つ。1962年設立、資本金1200万円、グループ従業員約200人。売上高は非公表。

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