日本一の標高で熟成 ウイスキー初お披露目 製造4年、特種東海製紙グループ「十山」
静岡市葵区田代でウイスキー製造を手がける特種東海製紙グループの十山(じゅうざん)は15日、標高1200メートルの同社井川蒸留所で醸造した新商品「井川蒸留所 シングルモルトデッサンシリーズ フローラ2024」の発表会を同区呉服町で開いた。2020年の製造開始から4年。南アルプスの恵みが溶け込んだ静岡発ウイスキーを関係者にお披露目した。 同蒸留所はウイスキー蒸留所として日本一の標高にあり、冷涼で湿潤な自然環境を存分に生かした。バーボン樽(だる)で熟成したノンピートタイプで、仕込み水に同蒸留所近隣の水源地「木賊(とくさ)湧水」を使用。アルコール度数は53度で、雑味の少ない甘みの後に出てくるほのかな苦みと、華やかな香りが特徴。ボトルラベルには、ボタニカルアーティストの藤森有規子さん(清水町在住)が南アルプスの希少種で多年草の高山植物タカネマンテマを描いた。 11月中旬に700ミリリットルボトルを県内の酒販店やバーなどで約6千本を限定販売する。価格は税込み1万6500円。瀬戸泰栄所長(49)は「自然と向き合いながらウイスキーづくりを追求してきた。愛好家だけでなく、多くの皆さまにメードイン井川の味を楽しんでもらいたい」と話した。
静岡新聞社