新型ジープ・アベンジャーは“新感覚”だった ちょっとタフなコンパクトSUVとは?
ジープらしさもしっかり盛り込む
アベンジャーならではの機能は、ジープ・ブランドの前輪駆動車として初とされる「セレクテレイン」と「ヒルディセントコントロール」を標準装備した点。前者は、6つの走行モードを選べる。 「ノーマル」:日常的なドライビングに適した走行モード 「エコ」:航続距離を延ばす走行モード 「スポーツ」:出力を高めてドライビングを楽しむ走行モード 「スノー」:凍結した道路やトレイルで最大限のトラクションを発揮する走行モード 「マッド」:ぬかるんだ路面でのグリップ力を高める走行モード 「サンド」:砂地で最大限のトラクションを発揮する走行モード ヒルディセントコントロールは、急勾配の下り坂で車両がブレーキを自動で操作しながら下っていく機能。つまり、アベンジャーは、デザイン性の高いピュアEVというコンセプトが持ち味と思っていたものの、ジープがやるべきことをやっているのだ。 インテリアは機能主義的デザインで、フィアットやプジョーに較べておもしろみに欠けるのは事実。ただし、ダッシュボード下部、大型センターコンソール、ドアポケットと、計約26リッターにおよぶスペースが確保されているので、実際には使いやすそうだ。 アダプティブクルーズコントロール (STOP & GO機能付)をはじめ、レーンキーピングアシスト、トラフィックサインレコグニション、ブラインドスポットモニターなど安全運転支援システムが多く用意されている。足先でハッチゲートを開けられるハンズフリーパワーリフトゲートはうれしい装備だ。 ジープはこのさき、米国で「ワゴニアS」という余裕あるサイズの新型電動SUVの投入が秒読みに入っており、アベンジャーより小型のEV「リーコン」も登場予定とか。輸入元ではこの先、BEVのラインナップ拡充を考えており、今回のアベンジャーの出来のよさが、今後への期待の気持ちを掻き立ててくれるのだった。
文・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.) 編集・稲垣邦康(GQ)