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米・テレビ広告界は、なぜCMの効果保証に躊躇するか?:「いまや基準もクソもない」

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DIGIDAY[日本版]

アメリカのテレビネットワークとエージェンシー幹部は、次シーズンのアップフロント(米TV広告枠の先行販売)交渉においてもCMの効果が、つまり、売上や来店者数の増加が焦点になるとばかり思っていた。だがいまや、それを協議の俎上に載せられるかどうかさえわからず、両者ともに対応を模索している。 「効果保証を中心に話を進めようと頑張ってきたが、完全に行き詰まった」と、あるエージェンシー幹部は嘆く。

基準となるモデルが完全に崩壊

CMは売上や来店者数を伸ばせるという効果保証はあくまで、基準となる過去データとの比較のうえに成り立っている。だがこの2カ月間、あまりにも多くの企業が休業や縮小を余儀なくされているなか、現在の売上や来店者数にもとづけば、当然ながらハードルはきわめて低くなる。さらに言えば、広告主のビジネスもテレビ視聴についても、来年度の動向は現段階でまったくの不透明であり、それもまたCM効果保証の基準となるモデルを完全に崩壊させている。「いまや基準もクソもない」と、別のエージェンシー幹部は肩をすくめる。 CM効果の数値を非公開としているテレビネットワークもいるが、A&Eネットワークス(Networks)やNBC(ユニバーサル)Universal、ワーナーメディア(WarnerMedia)など、多くの大手は公開している。先進的テレビ広告企業シムルメディア(Simulmedia)は 2015年からこうした取引に関わり、現在、それが事業の約25%を占めるまでになっていると、同社CEOデイヴ・モーガン氏は語る。 あるテレビネットワーク幹部はしかし、新型コロナ危機がはじまって以来、そうした取引の一部を止めざるをえない状況にあると明かす。「大局的に見れば、[効果保証は]将来、再び我々の最重要戦略となる。だが、今回のアップフロントに関して言えば、重要度はかなり低くなっている」。

チャンス到来と見る向きも

ただ、次のアップフロントでの交渉では効果保証にもとづく取引を見送る必要がある、と考えるエージェンシー幹部がいる一方、諦めるどころか、効果保証をさらに押す好機会が到来したと見る向きもある。 「我々が3カ月前にやりたいと思っていたことはすべて、その姿勢に適した方法として注目すべきだ。どうしたら効果重視の方向にさらに持っていけるのか? どうしたらコネクテッドTV重視の方向にさらに持っていけるのか? 現在の状況はイノベーションの速度を下げるのか、それとも上げるのかと問われれば、答えはもちろん、後者でなければならない。もっとも、これについてはさまざまな見方があるが」と、また別のエージェンシー幹部は言う。 もしも、CM効果保証が今年度の交渉の俎上から下ろされた場合、広告主がスキャッターマーケット、つまり、アップフロントで売れ残ったCM枠をネットワークが販売する市場に流れることは、十分に考えられる。テレビ広告主は従来、アップフロントを重視してきたが、その理由はスキャッターマーケットよりも購入レートを低く抑えられる点にある。しかし、コロナ危機を受けて、より柔軟な対応が求められるなか、一部の広告主はすでに長期契約に縛られないスキャッターマーケットに目を向けている。

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