【40代、50代・どうする?眼瞼下垂/医師の本音対談】眼瞼下垂の手術を成功させるには? ポイントは賢い患者になること。それってどういうこと?
今もまだ左右差があるな~と思って。今度は左側だけ眉下切開したいなと思ってます。左右差はね、ほんと難しいですよね。 もともと片方だけ眼瞼下垂の人なんかだと、直したことによって左右差がより目立ってしまったり。 けっこう工夫が必要でしょう。もう正解がないですよね。
ほとんどの人にある左右差をどうするか、医師の工夫のしどころ
高田 そもそも左右で筋力の差があるわけだから、それを調整して帳尻合わせしなきゃいけない。一発合わせはほんとに難しい。 眼瞼下垂ではヘリング現象(片方の下垂を修正すると、今度は反対側のまぶたが下がる生理現象)ってありますよね。 手術中でもあるんです。ヘリングも計算してやらないといけないし。 もともとの左右差の写真を撮っておかないと、差があるのを本人が気づいていない。 手術後に気になるんです、目が開いたためにより顕著に左右差に気づく。 麻生 なかなか難しいと思います、自分で気づくのは。ビフォーアフターの写真を見せて初めて「あ、左右差あったんですね」なんて言われることも多いです。
高田 それに、みんな年を取っていくので、手術をしてももう1回やり直す人はいます。特にミュラー筋は緩んできますからね。 だから僕は、最初から挙筋腱膜前転法(二重ラインで皮膚を切開した後、緩んだ挙筋腱膜を瞼板から切り離し、挙筋腱膜~眼瞼挙筋を引き出して、適切な目の開きが得られる位置で挙筋腱膜と瞼板を縫合する術式)をやったほうがいちばん安定すると考えているのです。 このほうが、再発が少ないなと思ってます。 麻生 眉下切開はほんの数mm切るだけで、傷あともほとんどわからないから人気なんですよね。でも、人にもよります、眉毛の形にもよるし。 あと、皮膚ののび方って人によって違うんですよ。 高田 そうそう、ぶよぶよでのびる人もいれば、硬くて分厚い人もいるんです。女性でも個人差が大きいですが、男性なんかすごく硬い。 どちらにしても、60代、70代になってからだと筋肉も痩せちゃうし硬くなるし。まぶただけでなく顔面筋も硬くなるんですよね。鳥の若鳥と親鳥で硬さが違うようにね。 手術は30歳でも40歳でも早いほうがいいですね。 麻生 先天性の眼瞼下垂もありますしね。気づいたら、20代でもやったほうがいいですよ。そうしないと、目を開けるためにおでこにシワが寄っちゃうから。 高田 本当のことを言うと、若いほうが経過がいいんですよ。総じて、年をとった方にはやらないといけない操作が増えるから、より手術は難しくなる。上げることはできるけれど自然に上げるのが難しいし、術後のダウンタイムも長くなる。 まぶたが上がっただけですごく喜んでもらえるのは、医者としてはとてもうれしいんですけどね! 眼瞼下垂が気になっていたり、手術を考えているなら、早めに相談に行くのもひとつの選択ですよね。