【40代、50代・どうする?眼瞼下垂/医師の本音対談】眼瞼下垂の手術を成功させるには? ポイントは賢い患者になること。それってどういうこと?
眼瞼下垂(がんけんかすい)に詳しい医師の二人が繰り広げてくれた、ぶっちゃけトークの後編。メディアにも多数出演している形成外科医・美容外科医の麻生泰さん。そして、手がける眼瞼下垂手術は年間2000件以上という眼瞼下垂のエキスパート、眼科医の高田尚忠さん。ズバッと本音を隠さない二人のやりとりに注目! 前編では、治療を考える人に向けてクリニック選びについてお話しいただいた。今回は、手術の実際について。眼瞼下垂を治しつつも、美しい目元にしてあげたいと思うがゆえの先生方の苦労話、必読だ!
きれいな目元の鉄則は、「二重は狭く黒目はぱっちり」
高田 眼瞼下垂の手術はとにかく奥深いですね、いろいろな要素があるので難しいし、患者さんの希望もありますし。 麻生 もともとの目の個性、個人差もあるのに、仕上がりが自然か不自然か、それも患者さんによって見方がだいぶ違いますしね。 高田 僕らが自然で美しいと思う二重と、患者さんがきれいと思うものが違いますから。 麻生 美容外科に来る患者さんで勘違いしてるのは、「二重の幅を広くしたら美人に見える」と思ってる人。そうじゃないんですよね。「黒目が全部バッチリ見えるのが美人なんですよ」と、僕はずっと言ってます。 二重の幅が広いと、不自然な二重になるだけ。二重を広くしてアイラインを引けば目元はなんとなく大きく見えますけど、黒目がちゃんと見えていなかったら意味がない。 高田 それに芸能人の方々は、一般の方がイメージしているほど、実際に二重が広いわけでもない。 麻生 そう。やや下向いてるときの写真なのに「これぐらい広いんですよ、この子」とか言って見せられたりして。正面から見たら全然広くないんです。 目を開いた状態だと二重の上から皮膚がかぶって奥二重ぎみになっている。その代わり、黒目はちゃんと全部見えているからぱっちり見える。それが美しい目の決め手ですよ。 高田 そのとおりです。もともと患者さんと感覚が違うのがとても困る。 麻生 眼瞼下垂で「二重の幅を広くして」って言う人は、もうお断りします。広くすればするほど、まぶたの開く高さに限界があるので。 患者さんの言いなりになって幅広い二重を作れば、不自然なだけじゃなく、医原性の眼瞼下垂(二重まぶた術の切開法や埋没法を受けたあとにまぶたが開きづらくなる症状)になってしまうこともありますから。 高田 埋没法もですけど、皮膚を縫って作る溝で、無理やり二重を作ろうとしている場合がある。本来は上からかぶった皮膚で二重の線ができてるのに。 単純に折り目の二重じゃなくね、かぶっているのが本当の二重でしょう。 麻生 例えば、二重のラインに沿って皮膚を大きく取ると、眉毛に近いほうの厚い皮膚が下に下がるので、ポテッとした二重ができます。言ってみれば「やりました二重」ですね、「切ったな」「美容整形したな」ってけっこうわかる二重。 それが嫌じゃない人はそうしたらいいと思うんですけど、僕がやるなら、切る場合は二重の幅は絶対に狭めでいく。二重は狭く黒目はぱっちり、が鉄則です。 高田 そもそも眼瞼下垂になると、上まぶたが落ちてくるわけだから、二重は広くなるのが普通。 つまり眼瞼下垂の手術をして開けやすくすれば、二重の幅は絶対狭くなるはずなんですよ。 麻生 目はぱっちり開くけど二重は狭くなる。でもきれい。これが正解なのに嫌だっていう人がいるんです。 それけっこうありますよね。「二重が狭くなるんだったら手術しません」って帰っていくんです。 高田 わかります。二重幅が狭くても黒目が完全に出たほうがきれい。僕は、広めにと言われたら「僕の中の広めにしますよ」って言いますね。