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レアルが再び苦戦を強いられた理由。狙われたS・ラモス、それでも“要塞攻略”を果たせたのは…

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 ラ・リーガ第34節、アスレティック・ビルバオ対レアル・マドリードが現地時間5日に行われ、0-1でアウェイチームが勝利している。これでマドリーはリーグ戦再開後7戦7勝。その強さを支えているのは一体どこなのか。(文:小澤祐作) 【画像】レアル・マドリーの基本フォーメーション

●前節同様苦戦も…  ラ・リーガ再開後のレアル・マドリードが好調だ。エイバル、バレンシア、レアル・ソシエダ、マジョルカ、エスパニョール、ヘタフェの全チームから勝利を奪っている。同6試合で複数失点は「0」。安定感は抜群である。  前節のヘタフェ戦は相手のハイプレスにかなり苦しんだ。それでも、後半にギアを上げると終盤にDFダニエル・カルバハルがPKを奪取。DFセルヒオ・ラモスがこれを沈めて1-0で白星を挙げている。そして、迎えたラ・リーガ第34節のアスレティック・ビルバオ戦も、前節とほぼ同じ試合内容となった。  どのチームにとっても勝ち点を奪うことが難しい要塞サン・マメスに乗り込んだマドリーは、立ち上がりからボールを支配するものの、ビルバオの守備陣を崩すには至らず、無得点の時間が長く続く。主将S・ラモスを中心としたディフェンスラインは安定していたが、攻撃のリズムはなかなか加速しなかった。  ヘタフェ戦と同じく前半を0-0で折り返したマドリーは、後半もやや相手を探っていた印象が強く、GKウナイ・シモンを脅かすことはできない。集中していたビルバオ守備陣に対して、ゴールへの活路を見出すことは容易ではなかったのだ。  しかし、73分にPKを獲得。前節は右サイドバックのカルバハルがその立役者となったが、今度は反対サイドのDFマルセロが奪ったものだった。そして、キッカーを務めたのはもちろんS・ラモス。シモンの手が届かない完璧なコースを射抜き、チームに待望の先制点をもたらした。  そして、マドリーはその後も安定した戦いぶりを披露し、1-0のまま見事に試合をクローズ。これで、リーグ再開後は無傷の7連勝とした。2位バルセロナがビジャレアルに快勝したため勝ち点差4に変動はなかったが、マドリーの“勝ち切る強さ”がまたしてもハッキリと浮かぶ結果となった。 ●2戦連続PKによる1点のみ  また一歩、今季のラ・リーガ優勝へ近づいたレアル・マドリード。リーグ再開後7戦7勝は非常に立派な成績であり、何よりジネディーヌ・ジダン監督やS・ラモスを中心としたチームに良い雰囲気が漂っていることは、紛れもない事実である。  しかし、あえて課題を挙げるとすれば、やはり攻撃力だろうか。マドリーは現在3試合連続で1点のみ。それも前節と今節はPKによる得点と、少し迫力不足に陥っていることは否めない。  前節のヘタフェ戦は相手のハイプレスに苦戦したが、この日はビルバオの守備強度がそこまで高くなく、最終ラインからのビルドアップは比較的落ち着いて行えていた。インサイドハーフのMFルカ・モドリッチやMFフェデリコ・バルベルデへのパスコースは随所で的確に遮断されてしまったものの、サイドにうまくボールを散らしながら前進を試みた。  しかし、ビルバオ陣内ではやはり決定的な仕事を与えてもらえない。4-4-2のブロックを敷くホームチームは各レーンを確実に埋め、中央のエリアをガッチリとロック。マドリーは必然的にサイドからの攻めに追いやられた。  FWマルコ・アセンシオとFWカリム・ベンゼマが頻繁にポジションを入れ替えるなど、マドリーも攻撃面での工夫は見せた。しかし、中央エリアが堅いビルバオに対し中盤の選手が絡んだ連動性のある攻めを繰り出すには至らず、スローテンポなパス回しが散見。こうなるとビルバオの綻びを突くことも難しくなる。  もちろん、マドリーはシンプルなクロスから決定機を迎えることもあった。しかし、それは片手で数えられるほど。ビルバオにとって脅威だったか、と問われれば決してそうではないのが事実だ。ベンゼマのポストプレーはさすがだったが、彼一人ではどうにもならず、その後の展開からエンジンがかかることはなかった。  サイドバックの攻撃参加は効果的で、前節も今節もそこからPKを獲得している。ここは引き続き活かしていきたい。ただ、どこで攻撃のテンポを上げるのかはハッキリとさせたいところ。疲労の影響も多少はあるだろうが、それぞれがやや足元でボールを受けたがっている印象が強い。この日は幅を使った攻撃となったが、今後はベンゼマと左右両ウイングの距離をもう少しだけ近づけ、ワンタッチパスを入れやすくしても面白いかもしれない。 ●まさに堅守。チーム全体が高い意識  それでも、マドリーが結果を残せている最大の要因はやはり守備力だ。この日もビルバオに決定機をほとんど与えず完封勝利。これでリーグ戦は3試合連続でクリーンシートとなった。  マドリーのチーム全体としての守備への意識は非常に高かった。ボールホルダーに対するプレッシャーは素早く的確で、何よりプレスバックが抜群に速い。一瞬数的不利な状況を作られても、少し時間を稼げばすぐに数的優位な状況を作り出す。今のマドリーにはこうした強さ、魅力がある。  ビルバオはマドリーの弱点を狙ってきた。それが、マルセロとS・ラモスのいる左サイド。前への意識が強い彼らの位置にスピード自慢のFWイニャキ・ウィリアムスを置き、背後のスペースを果敢に狙わせたのだ。実際、そこに何本かロングボールが通っており、S・ラモスが置き去りにされるシーンも目立った。  しかし、そこをうまくカバーしたのはDFエデル・ミリトン。今季にポルトからやって来たブラジル人はDFラファエル・ヴァランが欠場したことで出場機会を得たが、頼れる主将をしっかりとサポートするなど輝きを放った。ラ・リーガでのフル出場は第27節のベティス戦以来となったが、素晴らしいパフォーマンスだったと言える。  また、今季のサモラ賞受賞がほぼ確実と見られているGKティボー・クルトワのセービングも非常に安定。ブレイクアウェイのタイミングも抜群で、ハイボールの処理などにも大きなエラーが見られない。昨季は可もなく不可もなくといった評価だったが、今季は再び世界最高峰を証明していると言えるだろう。  このように、チーム全体としてはもちろん、個々のパフォーマンスも非常に高いのがマドリー守備陣の強み。とくに、普段は控えメンバーであるミリトンがハイパフォーマンスを見せたのは、過密日程が続く中では非常に喜ばしいことだ。  ジダン監督も「攻撃面で欠いているものはあるが、試合に勝ったので不満を言うつもりはない。最も大事なのは自分たちの守備のベースがとても良いことだ。守備面が素晴らしければ、チャンスを得られることを我々は分かっている」とDF陣を称賛。マドリーはまさに、「失点しなければ負けない」を体現している。  次節はS・ラモスとカルバハルの出場停止が確定。同時に守備の中心選手を二人も欠くのは不安であるが、マドリーは自慢の総合力で乗り切ることができるか。注目だ。 (文:小澤祐作)

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