【スクープ】公費でまかなわれる選挙ポスター代を受け取った業者が、発注した政治家に献金…これでは「公費の還流」だ!有名政治家に続々と
大臣経験者など有名政治家で次々と発覚
選挙公営制度は、資金力の有無にかかわらず選挙に立候補できる機会を設けるため、ポスター代などの一部を公費で賄っている。候補者は選挙で一定の基準(衆院小選挙区の場合は相対得票率10%以上)をクリアした場合にこれらの費用を選挙管理委員会に請求でき、選管は候補者の請求に基づいて、業者に代金を支払う。ただし、本当に発注通りの納品が行われたかどうかなどを直接確認する検収は行われない。 今回の調査は、日本大学法学部の安野修右研究室とフロントラインプレス、スローニュースの三者がつくった「選挙費用データベース」をもとにして、2021年衆院選の選挙運動費用収支報告書を分析。各候補が代表を務める選挙区支部(政党支部)の政治資金収支報告書と突き合わせるなどして調査した。 その結果、公費でポスターなどを受注した業者から献金を受け取っていた候補者は38人に達した。そこから2021年の選挙後に他界したり政界を引退したりした人を除外。そのうえで業者から献金を受け取った時期を「選挙期間中(投開票翌日を含む)」に限定し、該当する13人をリストアップした。 金額で目立つのは、自民党のベテラン議員・棚橋泰文氏(岐阜2区)と、立憲民主党の後藤祐一氏(神奈川16区)。 このうち、棚橋氏は公費約159万2000円分のポスターやビラ、ハガキを地元企業に発注し、その会社は50万円を棚橋氏の岐阜県第二選挙区支部に寄付していた。棚橋氏側は取材に対し、回答しなかった。 次いで金額の多かった立憲民主党の後藤氏の事務所は「当該企業からは、寄付だけでなくパーティー券の購入も頂いており、2021年はコロナでパーティーが開催できなかったため寄付の形となっております。額についても2021年が特に多いということはございません」と回答した。 これ以外にも、大臣経験者など、著名な政治家は多い。 スローニュースでは、このポスター代などの “公費の還流”とも言える構図を、13人の政治家の名前や献金額などの詳しいリストを公開して報じている。
フロントラインプレス