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新型コロナ検査キットで遺伝子事業の売上3倍増も、営業利益は3割減。栄研化学1Q決算

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BUSINESS INSIDER JAPAN

新型コロナウイルスの検査キット(LAMP法と呼ばれる手法を活用)を販売している臨床検査薬の総合メーカー栄研化学は7月27日、2021年度3月期第1四半期(2020年4~6月)の決算を発表した。 【全画像をみる】新型コロナ検査キットで遺伝子事業の売上3倍増も、営業利益は3割減。栄研化学1Q決算 売上高は前年同期比-11%の82億円、営業利益は約3割減の10億円となった。

新型コロナ検査キットで遺伝子事業の売上約3倍

栄研化学は4月に新型コロナウイルスの検査キットの販売を開始。 この検査キットは、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の事業である「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の診断法開発に資する研究」を受託して開発されたもので、厚生労働省からも体外診断用医薬品(検査キット)として承認されている。 同社は病院や保健所などを対象に4月末までに約8万キット、5~6月にも約20万キットずつ供給する計画だった。 広報によると、4~6月にかけて目標としていた売り上げには達しなかったものの、かなり近い数まで販売することができたという(売上キット数は未公表)。第1四半期の栄研化学の売上高のうち、新型コロナウイルスの検査キットが含まれる遺伝子関連事業は約10億円。前年同期比でおよそ3倍となった。 この検査キットを用いた検査では、PCR法を用いた検査(いわゆるPCR検査)とは少し異なる手法(Lamp法)でウイルスの遺伝物質を増幅し、患者から採取した検体にウイルスが含まれているかどうかを検査する。 PCR検査は、感染の実態が分かるまで数時間かかるとされるが、栄研化学の検査キットを用いた手法を使えば、35~45分で感染の有無を確認できる。厚生労働省は、国立感染症研究所で行われた試験で一定以上の検査感度が確認されていることや、その迅速性から、有用性が高い検査キットだと判断している。

病院の外来減で主力事業は3割減

遺伝子関連事業の売り上げが大幅に増加した一方で、同社の主力事業である大腸がん検診で使用される検査用試薬(便潜血検査用試薬)の売り上げは約20億円。前年同期比で3割以上の減少となった。 その他の事業でも売り上げは軒並み減少。結果的に、遺伝子関連事業での大幅な増収をもってしても埋められない水準に達し、営業利益は前年同期比で3割減となった。 「尿検査用試薬については、(海外販売分を)シスメックスに買い取っていただいている関係で、あまり大きく減少はしませんでしたが、今後は影響が出てくることが想定されています。 また、便潜血検査用試薬については、国内外で大腸がんのスクリーニング検査で使われています。世界的にがん検診の事業がストップしたり、減少したりしているところで影響を受けています」 と、同社の広報担当は状況を話す。 実際、新型コロナウイルスの流行によって、多くの病院から外来患者が減少しているとの声があがっている。

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