消費者庁は26日、「No.1表示」に関する実態調査報告書を公表、景品表示法上の考え方を取りまとめた。イメージ調査のみで「顧客満足度No.1」と表示するなど、合理的根拠に基づかず、事実と異なる場合、景表法上問題になるとしている。 　実態調査は、No.1表示に関する措置命令の増加を受けて実施。実際の広告物368サンプルを収集し、第三者の主観的評価を指標とするNo.1表示に加えて、“医師の90％が推奨”といった「高評価％表示」についても調べた。 　対象広告のうち、No.1表示を行っていたのは275件。「顧客満足度」「品質満足度」など満足度に関するものが71件で最も多かった。「高評価％表示」があったのは93件。「医師の〇％が推奨」「おすすめしたい○○」など、専門家等が購入・利用を勧めていることを示すフレーズが32件で最多だった。 　また、消費者1000人を対象にウェブアンケートを実施。No.1表示が購入の意思決定に「かなり影響する」「やや影響する」と答えた割合は約5割だった。高評価％表示も同様に約5割が、購入に「影響する」と回答した。 　実態調査ではさらに、事業者15社へのヒアリングを実施。No.1表示を行う目的は、競合他社が行っているためとの回答が多かった。表示を検討した経緯は、調査会社・コンサルティング会社等から勧誘・提案を受けたとの回答が多く見られた。 　消費者庁では、No.1表示等についての景表法上の考え方を整理。合理的根拠に基づかず、事実と異なる場合は措置命令の対象になるとし、「比較対象となる商品・サービスが適切に選定されている」「調査対象者が適切に選定されている」「調査が公平な方法で実施されている」「表示内容と調査結果が適切に対応している」の4点を満たすことが必要とした。単なるイメージ調査をもとに「顧客満足度No.1」と表示した場合、注釈で「ウェブサイトのイメージ調査による」と表記しても、表示と調査が適切に対応していないため問題になるとしている。 　消費者庁では報告書で示した考え方について、事業者・消費者に周知。今後も監視を行い、不当表示に対しては迅速な指導による是正を含め、景表法に基づき厳正に対処していく方針。