冬に気になるフケ・かゆみ…「頭皮の乾燥」を予防するには?
空気中に含まれる水分量の低下や暖房器具の使用など、空気が乾燥する条件が揃っているこれからの季節。肌や目はもちろん、髪や頭皮が乾燥するとフケやかゆみの原因にも……。冬に気になる「頭皮の乾燥」を防ぐにはどうしたら良いのだろうか? 有楽町「クレアージュ東京 エイジングケアクリニック」の浜中聡子先生に解説してもらった。 【写真】頭皮を保湿する頭皮専用の保湿美容液も ◆ ◆ ◆ 空気が乾燥する冬は、全身の皮膚がカサカサします。頭皮にも影響はあるのでしょうか? 浜中聡子(以下、浜中)「頭皮に限らず、皮膚には天然保湿因子と呼ばれるバリア機能があるのですが、年齢とともにどの部分も崩れやすくなってきます。バリア機能が崩れた部分は外的刺激に弱くなるので、頭皮の場合は気温の変化によってつっぱり感やかゆみ、赤みなどの症状が出やすくなります。顔の皮膚と違って、頭皮の乾燥は症状がひどくなるまで自分では分かりにくく、フケが出てきてからやっと気づくという人も多いと思います。一度フケが出てしまうと一回のシャンプーで収まることはありませんし、黒い洋服を着た時には気になって仕方ないですよね。もし乾燥が気になるようであれば、フケが出る前の段階で早めに頭皮の保湿を考えることが大切です」 「頭皮の乾燥」でどのようなトラブルが起こりますか? 浜中「頭皮の乾燥が悪化すると、まずかゆみが起こります。かゆみの治療にはステロイド剤などの外用薬を使用しますが、髪の毛があるので浸透しにくくて治療に時間がかかりがちなことと、一度良くなったあとにぶり返すなど症状が長引きやすい部位でもあります。また、頭皮環境が悪化すると抜け毛につながり、直接髪の毛が減る原因にもなるのでできれば避けたいところです」 「頭皮の乾燥」の原因と対策を教えてください。 浜中「外気温の低下もそうですし、室内のエアコンも頭皮の乾燥に影響します。おしゃれのためのカラーリングやパーマなどで、頭皮環境を犠牲にしていることもあると思います。個人でできる対策として、まずは脱脂力が強すぎないか、合わない成分が入っていないかなど、自分に合ったシャンプーを使っているかどうかを見直しましょう。オーガニックシャンプーでも、洗い残しやベタつきが残る場合もありますので、頭皮環境に一番合ったシャンプーを選ぶことが大事です。 また、実は頭皮も専用の保湿美容液で保湿できますので、頭皮の保湿ケアを習慣にしてほしいですね。頭皮用の保湿美容液は医療機関で入手できますし、いくつか市販されているものもあります。頭皮にもさまざまな保湿成分がありますが、当院では頭皮の水分保持力が高まる米エキスを配合したものを用意しています。塗布してもベタつきが残らず浸透しやすいので、頭皮には頭皮専用の保湿美容液の使用をおすすめします」 「頭皮の乾燥」を防ぐために行いたい冬のケア方法は? 浜中「シャンプー後、ドライヤーで乾かしてから頭皮のつっぱり感やかゆみ、赤みが気になる部分を手早く保湿してください。すでに頭皮の乾燥を治療している場合も、外用薬を塗る前に頭皮を保湿していただくと、外用薬の浸透が良くなり効果も安定します」 「頭皮の乾燥」で医療機関を受診する目安を教えてください。 浜中「かゆみや赤みがひどい、フケが出るなど何かしらの自覚症状があれば医療機関を受診したほうが良いと思います。頭皮の乾燥を放置すると抜け毛などの原因にもなります。また、乾燥が気になる場合はカラーリングやパーマを休むなど、頭皮に負担の少ないおしゃれを選んでください。月に一度だとしても毎回刺激を与え続けるのと、その分を頭皮のケアにあてるのとでは、最終的な結果が違ってきますよ」