人生“2度目”のドラフトから即出場 母国に戻って活躍の元西武31歳「挑戦者の気持ち」
「台湾で元気な姿でやっていれば必ず日本に届くと思う」
――台湾プロ野球には、陳傑憲選手(統一セブンイレブン・ライオンズ)がいるわけですが、陳選手と同じグラウンドで戦う気分はどうですか。 「リーグでは敵になりますよね。傑憲は、台湾プロ野球の顔でありリーグを牽引するスター選手ですからね。高校の頃とは違って『大人』というか、選手会会長もやっていますしね。彼に負けないよう、今後は一緒にリーグを盛り上げていきたいと思います」 ――洪一中監督からチーム内での役割について何か話はあったんでしょうか。 「特に監督から具体的に何か言われたということはないです。ボーロンもそうですが、自分たちの試合に対する準備の仕方とか、練習中の態度とかは、若い選手たち、後輩たちの目に入ると思うんで、責任感というか、いつもしっかり準備はしていますね」 ――台湾の生活はいかがですか。食事や気候にはすぐ適応できましたか。 「いや、日本食に慣れちゃっていて(笑)。でも徐々に慣れてきているし、時間の問題だと思うので、特に気にはしていないんですがね。気候については、日本も暑かったんですけど、台湾はやっぱり、さらに湿気があって、最初は苦労したんですけどね。今は、気温も下がってきましたし、徐々に慣れてきました」 ――日本食の中で、何か恋しい料理はありますか。 「日本の場合、特にランチメニューはあっさりしてるじゃないですか。西武時代、毎日球場に用意されていたのはラーメン、そば、うどん。あと、おかずが何種類かあって、唐揚げもあるみたいなのが当たり前だと思っていたので。こっちは毎日弁当なのでね……。台湾の弁当は美味しいんですよ。でも、あっさりしたスープとかが欲しくて。日本食で恋しいものは、強いてあげれば焼肉ですけど、焼肉は台湾にもあるし。やはり、毎日食べていたうどん、そばとかですかね。でも、岡山に留学したばかりの頃は日本の食事が口に合わなくて。大学3年くらいで、やっと慣れたんですけどね(笑)」 ――台湾のコーヒーも美味しいです。 「台湾のコーヒーも美味しいですよ。最近は某大手コンビニで買うことが多いです。日本ではルーティーンでやっていたんですが、注目されていたとは意外でした(笑)」 ――西武の元同僚で、主に連絡をとられている選手は誰でしょう。 「川越(誠司)が登場曲を使ってくれているという話は僕の耳にも届いていました。同期であり同級生でもあるので、本当に困ったことがあったら川越に相談しています。あとは外崎(修汰)さん。外崎さんはよく自主トレを一緒にさせてもらいましたし。他には、今は巨人に移った若林(楽人)、蛭間(拓哉)くんとか、山野辺(翔)とかですね。毎日じゃないですけど、1週間に1回くらいですね。 ――日本のファン、特に西武ファンがプレーに注目しています。古巣への思いを語っていただけますか。 「プロに入って8年間、ライオンズは、自分を成長させてくれた球団であり、ライオンズなしに今の自分はないと思っているので、常に古巣へ感謝しながら台湾でも頑張っています。他の球団に行ったとしても、やはり最初のチームに1番思い入れありますし、絶対に忘れることはありません。今はスマホもあって便利な時代なので、台湾で元気な姿でやっていれば必ず日本に届くと思うので、それが一番だと思っています」
「パ・リーグ インサイト」駒田英