大阪の陣、天下取りを争った2丁の鉄砲 「鑑定団」澤田さんの資料館で歴史的対決を再現/大阪
真の名将は互いにライバルをリスペクト
400年の歳月を経て、平和な大阪の地で再会した2丁の名器から、何を学べるだろうか。「1543年の鉄砲伝来で、鉄砲は瞬く間に広がって戦いのかたちを変え、戦国時代に幕をおろす要因のひとつになった。鉄砲の進化を加速させたのが、ものづくりの力。大坂の陣は科学ハイテク戦争でもありました。重厚な巨大鉄砲と半自動の小型鉄砲。技術の方向性は正反対ですが、どちらも世界的にも素晴らしい水準に達し、鉄砲技術は多くの産業分野で応用されていく。先人たちの英知に敬意を払いたい」 幸村とはどんな人物だったのか。「幸村公は武勇伝で有名ですが、勇猛果敢一本槍ではなく、物静かで思慮深い。人間的な魅力で組織をまとめあげるタイプ。イケメンでもスーパーマンでもなく、どこの会社にいても不思議ではない。来館者に幸村像を問われたら、『あなたも幸村公になれますよ』と答えています。幸村公と家康公。敵味方で戦いましたが、ライバルとして認め、尊敬し合っていたと思います」 400年前のハイテク合戦、ライバル激突。現代社会でも大いに参考になりそうだ。同館は大坂の陣400周年の2年間限定。澤田さんの個人運営のため、来館希望者は事前に要予約。来館可能時間は午後2時から同8時ごろまで。入館料は500円で澤田さんの解説を受けられる。詳しい問い合わせは澤田さん(06・6974・1186)まで。 (文責 岡村雅之/関西ライター名鑑)