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巨人移籍のウィーラーに涙の別れ。 なぜ楽天ファンに深く愛されたのか

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楽天で「Z(ズィー)」の愛称で親しまれたゼラス・ウィーラーが巨人に移籍した。  新天地でのデビュー戦となった6月30日のDeNA戦。味方が得点すればベンチから身を乗り出してはしゃぎ、安打を放てば満面の笑みを浮かべて喜ぶ。そんなウィーラーの愛嬌ある振る舞いは、楽天時代となんら変わらない。 能力は超一流なのに定位置を獲得できない選手たち  だからこそ、切なくなる。「もうZは仙台にはいないんだ......」と。  ニュースは突然舞い込んできた。巨人の池田駿とのトレードが発表されたのは、6月25日だった。ウィーラーは球団を通じ、こう惜別の言葉を残した。  <今回、このような形で、新天地でプレーする機会をいただいた球団に感謝しております。  楽天野球団とファンの方々には、イーグルスの一員として日本でプレーする機会をいただいたことに感謝してもしきれません。  東北で5年半プレーできたことは私や私の家族の人生に大きな変化をもたらせてくれました。イーグルスのメンバーとしての東北での時間を忘れません。  ただ私にはプレーヤーとしてまだやらなければならないことがあります。心から愛するイーグルスのチームメイト、全員の活躍を願っています。本当にありがとうございました! また会いましょう>※ 原文ママ  ファンはあらためて、ウィーラーの人柄に触れたのではないだろうか。「ありがとう!」「巨人でも頑張って!」「また仙台に戻ってきて」......SNSでは、さまざまな感謝、激励の言葉で溢れかえった。

そもそもウィーラーは、アメリカでの実績が皆無に近い選手だった。メジャーリーグでの出場は、ニューヨーク・ヤンキースに在籍していた2014年のみで、出場はわずか29試合。打率1割9分3厘、2本塁打、5打点と目立った成績を残すことなく、日本にやってきた。  ウィーラーはアメリカ時代の自分のプレースタイルを、ヤンキースでチームメイトだったイチローを引き合いにこう話していた。 「メジャーリーグの選手は、イチローさんのようにセンターへ強い打球を打つことを心がけている。あの舞台で活躍できる選手は、やろうと思えばどんなことだってできてしまうんだ。そのなかで僕は、逆方向のバッティングやバントというのが役割だった」  スモールベースボールを身上としていたウィーラーだったが、日本では昨年までの5年間で106本塁打と、長距離砲として存在感を示す。その背景には、彼の勤勉さがある。  相手投手の変化球を頭に叩き込んで、打席でのシミュレーションを展開させる。チームメイトの意見にも耳を傾け、自身のパフォーマンスに反映させた。  なかでも、ウィーラーが最も気を配っていたことがある。それは敬意を払うことだ。  多くの外国人選手にとって"壁"とも言える日本の文化。言葉や食事といった生活面はもちろん、野球でも日本の投手は変化球が多く、制球力も高いため、高度な駆け引きが求められる。それは打つだけでなく、走塁や守備、サインプレーなど多岐にわたる。そうしたすべてのことを肯定し、日々、吸収しようと懸命に努めた。

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