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「伝家の宝刀」抜く?自民党内に早期解散論が浮上 “ご祝儀”期待も

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西日本新聞

 安倍晋三首相の後継総裁を14日に選出することが決まった自民党内で、早期の衆院解散・総選挙を求める声がにわかに高まり始めた。首相の辞任表明を機に、安倍内閣と自民党の支持率は急回復。ポスト安倍政権発足直後の「ご祝儀相場」も当て込み、一気呵成(かせい)に衆院選を仕掛ければ選挙態勢が不十分な野党に大勝できるとのもくろみからだ。新型コロナウイルス感染症の全国的な流行状況と世論の動向を慎重に見極め、新宰相はためらいなく「伝家の宝刀」を抜くか。 【画像】想定される今後の主な政治日程  ≪10月13日公示、25日投開票≫  首相が退陣を表明した8月28日夕から時を置かずして、永田町にまことしやかな総選挙日程が出回った。出元とされたのは、かねて「今秋解散論」を唱え、今回の総裁選でも存在感を示す麻生太郎副総理兼財務相を頂く財務省-。  衆院議員の任期満了が約1年2カ月後に迫る中、総裁選で高まった世論の関心も冷めないうちの電撃解散説にリアリティーを嗅ぎ取ったのか。自民内からは、早くも「『準備を急げ』と地元事務所に指示を飛ばした」(中堅議員)との反応も見られる。  にわかにかまびすしくなった出発点にはデータがある。  共同通信が8月29、30日に実施した全国緊急世論調査で、次期衆院選比例代表の投票先で自民党は48・0%と急伸。国民民主党などと野党合流新党を結成する立憲民主党(11・6%)に大差をつけた。低迷していた安倍内閣の支持率も、前回比20・9ポイント増の56・9%に跳ね上がったのだ。「持病の再発による志半ばでの首相退陣」に、同情が寄せられたとの見方が強い。  この潮流の上に、8年ぶりとなる「顔」の交代と新内閣発足で清新さを演出し、解散に踏み切るのが主戦派の描く戦略。加えて、今回の総裁選で全国一斉の党員・党友投票を実施しないことも、その理屈づけに一役買っている。「国民から遠い密室」「古い派閥政治の復権」との風圧が強いため、「『早々に国民に信を、首相としての正統性を直接問いたい』と訴えれば納得を得られる」(自民関係者)というわけだ。    ◇   ◇   総裁選では現時点で、安倍路線の「継承者」を自任する菅義偉官房長官が圧倒的優勢に立つ。  麻生氏は最近、支持を請うて面会に訪れた菅氏に対し、こんな考えを授けた。早期の総選挙勝利で自ら民意の支持と政治的求心力を調達できれば、来年9月に再び来る総裁選も問題なく制し、長期政権への道が開ける-。麻生氏にはかつて首相時代、時機を逸した「追い込まれ解散」で旧民主党に政権交代を許した苦い記憶が深く刻まれている。  ただ、新型コロナ感染状況の行方はいまだ予断を許さない。今冬にかけ、再びウイルスが全国的に猛威を振るい、総選挙が許容されるような国民心理でなくなっている可能性がある。新首相に最も近い菅氏も、これまでは早期解散に否定的だ。 (河合仁志)

西日本新聞社

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