「声を上げられる社会に」 富山で実父から性被害、苦痛今も
実父から性被害に遭い続けた福山里帆さん(24)が13日までに、夫の佳樹さん(44)と共に共同通信の単独取材に応じた。中学の時から受けた凶行に今も苦しみ続け、「家庭内の性被害は見えにくい。被害者が声を上げ、受け止められる社会になってほしい」と願う。準強姦罪で起訴された父親の初公判が16日、富山地裁で開かれる。 【写真】父親の性的虐待は、なぜ無罪になったのか 逃げ場ない被害者の心理、司法はもっと知って
里帆さんは富山県黒部市の実家で中学から高校2年まで、父親の会社役員大門広治被告(53)に繰り返し性行為を強要された。県警に昨年6月告訴し、父親は今年3月に逮捕、起訴された。 告訴に至るまでは苦しみの連続だった。 「なんで私だったの」。約2年前、里帆さんは現場となった実家で父親と対面し、問いただした。 しかし対面は自身の被害をたどり直すことでもあった。極度に精神が不安定になり、働くことも困難に。「誠実な謝罪があれば告訴はしない」。そんな思いもあったが、裏切られた。 父親の逮捕後、夫婦そろって実名と顔を明らかにして記者会見を開いた。交流サイト(SNS)で発信も続ける。