Yahoo!ニュース

IDでもっと便利に新規取得

ログイン

中国潜水艦、海自の水中電場センサーで発見?

配信

  • この記事についてツイート
  • この記事についてシェア
Japan In-depth

【まとめ】

・ 海自は日本は静音行動を尽くした中国潜水艦を探知した。 ・ 水中電場センサー、水中磁気センサー、熱尾流による探知の可能性がある。 ・ 海自の秘密主義から保有を秘匿している可能性もある。

日本はどのようにして中国潜水艦を発見したのだろうか?

防衛省は6月20日に中国潜水艦の接続水域通過を発表した。「奄美群島において太平洋から東シナ海に潜航潜水艦が通過した。日本領海には入らなかった」内容である。 この発見は音響探知の結果と推測されている。南西諸島線に配置した水中聴音機で中国潜水艦の騒音を聴取した。一般的にはそう考えられている。 だが、そう信じ切ってよいのだろうか? 音響以外の手段で探知した可能性もあるからだ。例えば水中電場センサー、水中磁気センサー、熱尾流利用である。 ■ 水中聴音機による探知 潜水艦発見は水中聴音機の成果と見なされている。これは海底に設置された聴音専用ソーナーだ。具体的には国産のLOQ-6やその後継型である。それにより潜水艦の所在を掴んだと理解されている。 なによりも探知能力は際立っている。軍艦や航空機投下型のソーナーとは較べものにならない。まず高感度である。静粛下困難な50Hz以下の振動や静粛化不能の0.1Hzの水中圧力変化も探知しうる可能性がある。その上、設置環境も雑音極小の海底と最高の条件にある。 そしてこの水中聴音機は南西列島に設置されていると見られている。米国の世界的水中監視網SOSUSの南西諸島線配置は公然の秘密であった。南西シフトをとる日本も同様の整備をしていると考えられている。 だから中国潜水艦の接近を察知できた。そのように理解されているのだ。

しかし、本当にそうなのだろうか?

そこには懐疑の余地がある。南西列島に水中聴音網はあると疑われている。そこでは中国潜水艦は徹底的に音を出さないようにする。それを海自は探知できたのだ。 このため「音響以外の手法で探知したのではないか?」とも疑えるのである。 ■ 水中電場センサー では、海自はどのような方法で潜水艦を探知したのだろうか? まず考えられるのは水中電場による探知である。艦船は海水中に僅かな電流を流している。それを感知し潜水艦を見つけるやり方だ。 潜水艦の場合は電流発生源は三つとなる。第1が船体の腐蝕電流と対策として流す防蝕電流、第2がアース不良による海中漏電、第3が地磁気中の船体運動による電流発生である。 水中電場センサーはそれを感知する。UEPと呼ばれる微弱電圧またはELFEと呼ばれる脈動の周波数成分を測定する。後者はスクリュー回転に伴う腐蝕/防食電流の電圧変動や漏電電流への交流成分影響により生じる。 手法としても実績がある。50年以上前よりアメリカ、カナダ、ソ連で利用が始められている。 探知距離も比較的大きい。70年代で5km、80年代には10km程度が期待されていた。(*1) その点で非音響による潜水艦探知としては筆頭の立場にある。日本が音響以外で潜水艦を探知した場合もまず第一に予想される手法なのである。

【関連記事】