新幹線グリーン券詐取疑いで元参院議員山下八洲夫容疑者逮捕 不正使用「鉄道乗車証」返却義務も
現職の国会議員に成り済まして東海道新幹線のグリーン券をだまし取るなどしたとして、元参院議員の山下八洲夫容疑者(79)が9日までに、愛知県警中村署に詐欺と有印私文書偽造・同行使の疑いで逮捕された。容疑を認めているという。山下容疑者は立憲民主党岐阜県連の常任顧問を務めており、同県連は9日、常任顧問の解任と党員身分の除籍を決定した。立民の泉健太代表はツィッターで「現在詳細は不明ですが、事実ならば決して許される行為ではありません。皆様に深くお詫び申し上げます」などと謝罪した。 山下容疑者が不正使用したみられるのは現職議員に支給される「鉄道乗車証」で、特別乗車券やJRパスなどと呼ばれている。参議院によれば、「名刺サイズで議員名が記載され、各年度ごとに支給される。有効期間が過ぎたものは返却義務があり、また辞職や落選した場合も同様に返却義務があり、対象者に通知している」としている。 山下容疑者は旧社会党で1983年から衆院議員を4期務めた後、旧民主党から98年の参院選岐阜選挙区に出馬して当選し、2期務めた後に2010年の参院選で落選した。 JR側は「議員パス」にどのような対応をとっているのか。JR東海の東京広報室によると、国会議員が新幹線などに乗車する際には、駅の窓口で、国会が衆参の両議員に毎年発行している「鉄道乗車証」の提示を求めている。その上で、国会議員の名前や年齢を記入した国会議員指定席寝台申込書を提出してもらい、切符を発行しているという。