大慣性モーメントが全盛のドライバー市場。“ミニドライバー”人気が衰えない理由は?
「長さは同じ43.5インチですが、ヘッド設計の進化によって90年代のメタルドライバーとは圧倒的に違う飛距離とやさしさを備えているのが最新のミニドライバーです。でも、45インチ以上の通常ドライバーとどっちが飛ぶか? と聞かれれば、それは長くてヘッドが大きいほうが飛びますと自信を持って答えます(笑)。ミニドライバーは、長いドライバーが苦手なプレーヤー向けではあるのですが、実際は別のクラブとして考えていただいたほうがいいとも思っています。通常ドライバーとフェアウェイウッドのギャップを埋める新しいカテゴリーのクラブ。ある意味レスキュー的なクラブだと個人的には思います」(柴崎氏) 長くて最大飛距離が狙える「ディスタンス系」ドライバーと、短くて当てやすくフェアウェイを狙っていける「スコアリング系」ドライバー。同じ土俵で比較して二者択一するのではなく、別物として共存させてこそ大きな意味がある。 あまり使っていない3Wを抜いて、ショート(スコアリング)ドライバーを入れる。それが新しいドライバーの二刀流セッティングではないだろうか。
R&A適合ドライバーリストにタイトリストとPXGのミニドライバーがリストオン!
ミニドライバーに注目しているのはキャロウェイ、テーラーメイドだけではない。この春にはR&Aの適合ドライバーリストに「PXG Secret Weapon」が登録された。トウ、ヒール、フェース寄り、後方と4つのウェイトポートを備え、ロフトは13度。
程なくしてタイトリストもロフト13度のネックに2Wと刻印された「TSR」を登録。こちらは5月のウェルズファーゴ選手権からマックス・ホーマが使用しているプロトタイプミニドライバー(2W)のようだ。元々はドライバーと3Wの飛距離差に悩んでいたキャメロン・ヤング用に作られた投影面積の大きいティーショット用のクラブだったという。 「すべての数字がドライバーと3Wの中間で、とくにドローが打ちやすい。僕はドローを打つのがそこまで得意ではないから、左から右への風が吹いたときは、かなり重宝するね」とホーマ。 ドライバーでは低弾道のフェード、このクラブでは3Wよりも飛距離の出るスピンの利いたドローと、クラブによって2種類のティーショットを打ち分けているという。未発表のため市販されるかどうかもわからないが、2018年からPGAツアーでドライバー使用率ナンバー1のタイトリストだけに気になる一本だ。
TEXT/高梨祥明(Position ZERO) PHOTO/Tomoya Nomura、Blue Sky Photos、Getty Images
週刊ゴルフダイジェスト