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福島第1原発の処理水放出へ?手続き着々 政府、コロナ禍でも意見聴取会合3回

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 ではこの処理水とは何なのか。第1原発では、11年3月の事故で溶け落ちた核燃料(デブリ)を冷やすため原子炉建屋に注ぐ水や、建屋に流れ込む地下水が汚染水となる。それを浄化処理したのが処理水だが、トリチウムだけは除去できず残留している。  トリチウムは水素と化学的性質が似ており大気や雨、海水、水道水にも含まれる。他の原発でも運転に伴って発生し、濃度や量の上限を決めて海などに放出している。放射線は弱く、経済産業省は「紙1枚でも遮ることが可能」と説明する。  だが、第1原発と他の原発とを同一視はできない。第1原発の処理水は、デブリに触れた水。海洋放出を支持する更田豊志(ふけた・とよし)原子力規制委員長も「損傷した炉心を通った水なので、いくら浄化したと言っても心理的な抵抗があるのは当然だ」と理解を示す。  ▽不信感  「放出されれば二重の風評被害を生む」との強い懸念が地元では尽きない。福島の漁業は、今だに漁場を自主的に制限するなどし安心、安全に注意を払っている。処理水の問題は福島だけではない、国民的議論にしてほしい、との願いがある。

 18年夏には、処理水にトリチウム以外の放射性物質が放出基準を超えて含まれているのも発覚したため、東電への不信感はくすぶったままだ。  東電の試算によると、処理水の保管容量は22年夏に限界となる。仮に放出するとしても準備工事などに2年程度かかるため、逆算すれば今夏ごろには処分方針を決める必要がある。関係閣僚らも記者会見などでたびたび「先送りはできない」と発言している。  海洋放出に韓国が反発していることも踏まえ、以前は「国内外の影響に配慮すれば、方針決定時期は東京五輪閉幕後にせざるを得ない」(与党議員)との見方があった。だが五輪の1年延期が決まり、「時期を気にする必要はなくなった」との声が聞かれ始めた。  ▽「丁寧」か  処理水放出を提言した小委報告書は、政府が方針を決める際に「幅広い関係者から丁寧に意見を聞くこと」を要請した。政府による意見聴取会合はこの要請に基づくものだが、新型コロナの渦中にウェブ会議にしてまで実施したことが、手続きを踏んだといえるのか。

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