「溺れそうになったら体の力を抜いて」「助けてとは言えない」 水の事故を防ぐための提言
流されたら「海岸に平行に」泳いで
流された場合は、離岸流に逆らわずに海岸に対して平行に泳いで脱出することが重要で、泳ぎが得意でない場合は、浮いて助けを待つことが大切です。 日本財団などが実施した調査によりますと、6人に1人が「海や川などで自力で陸や地上に戻れない」といった経験があることが分かりました。 溺れた経験がある人のうち、「25メートルより長い距離を泳げる」と回答した人は28.2%。 「25メートル泳げる」と回答した人は21.0%で、およそ半数が「泳げる力」があったということです。
水泳の授業中に男児が死亡
泳げる力を学ぶための水泳の授業ですが、7月5日には高知市の小学校で小学4年生の男の子が死亡するという痛ましい事故も起きてしまいました。 この小学校のプールはろ過ポンプが故障していたため、中学校のプールで水泳の授業を行っていましたが、中学校のプールは小学校のプールより10センチ以上深い場所があったということです。 また、授業には教頭ら3人の教員が付き添っていましたが、学校は「溺れたところは見ていない」と話しています。 この事故を受け、高知市の公立小中学校は今年度の水泳の授業を中止しました。
「助けて」と言えない
事故を防ぐことはできなかったのか、専門家に話を聞きました。 Q子どもはプールの深さが変わるだけでも溺れてしまう? 水難学会 斎藤秀俊 理事「プールの深さを確認せずに飛び込んだ時が一番事故が発生する。適切な水深というのはそれこそないんですよ。深さをきちんと確認して入ればどんなに深かろうが浅かろうが危険なことはないんですよね。パニックは順序があって、まずは固まる、英語で言ったらフリーズっていうんですけど固まるんですよ。そして次に行動が入るんですけどアクティブといって、フリーズの段階で水の場合は沈んでしまうので」 Q助けを求めることはできなかったのか? 水難学会 斎藤秀俊 理事「本当に何も出来ないんですよ。『助けて』って言おうとすると助けての「た」の字しか言えない。 「たー」と言った瞬間に沈むから結局肺の中に空気が溜まっている訳じゃないですか浮袋な訳ですよ、この浮袋の中の空気をいっきに出すというこは声を出すという事でしょ声を出した瞬間に浮袋の空気がいっきになくなるんですよ。そうするとすっと沈む。ただそういう風になるひとつ前の段階では必ず水の音がでるようになっている」
水難事故を防ぐには油断しないこと
水難事故を防ぐには毎年行っている海や川でも、「危険な場所が隠れているかもしれない」という意識を持つ、油断しないことが大事です。 専門家は「もしも、足が着かず溺れそうになったら、体の力を抜いて、背浮になることを意識して欲しい」と話しています。