初の“カスハラ防止条例”で……「やめてください」言いやすく? AIで“想像もしない怒られ方”体験【#みんなのギモン】
■対応方法を学び、メンタルを守る
鈴江アナウンサー 「リアルですね」 刈川くるみキャスター 「お客さんにも落ち着いてほしいですし、ただ勝手に判断するとお店側に迷惑をかけることもあるんじゃないかなと、板挟みでとても難しいですし、とっさの対応は何が正解かちょっと分からないです」 小野解説委員 「every.のスタッフも『とっさのことで何と答えていいか分からなかった』と話していました。自分が想像もしない怒られ方をされることもあります。こうしてAIで体験しておくことで、対応の仕方を学んだり、メンタルを守ったりすることにもつながるかもしれません」 鈴江アナウンサー 「研修の一環でやっておくことで、『悩んだ時にはすぐに店長に相談しなさい』など、そこまでマニュアルとして整理されていくと、より働きやすくなるのかなという気はします」 森アナウンサー 「本当であればこんなAIはない方がいいんですけどね。これが必要になっている今というのが、ちょっと悲しいなと思います」
■ファミマと首都高速道路の取り組み
小野解説委員 「これだけではなく、いろんな取り組みが広がっています。ファミリーマートはポスターを作り、『土下座しろ!』『SNSに公開するぞ』といった行為はカスハラで法律に問われる可能性がある、と忠告しています。10月から全国1万6000以上の店舗全てで掲示します」 森アナウンサー 「それだけ(このようなケースが)あるということですよね」 小野解説委員 「首都高速道路は、お客様センターでの『切電(きりでん)マニュアル』を策定。電話相手が30分以上、同じ内容を繰り返し、威圧的な発言をしているなどの場合には、電話を切りましょうというもの。去年5月に策定し、今年8月までの間に22件切ったそうです」
■札幌市役所ではポスター掲示で効果
小野解説委員 「対策をしたら効果が出ている事例もあります。札幌市広報部によると、去年から市役所内に啓発ポスターを掲示する、通話を録音する、世間話など市政に関係ない話題で長時間拘束されたら対応を打ち切るといったカスハラ対策マニュアルを運用しています」 「すると、こんなことが起きたといいます。クレーム電話で『首を洗って待っていろ!』と怒鳴っていた人が市役所に来て、職員は身構えたそうですが、その人はポスターを見たのか、みるみるトーンダウン。最後には『役所の人も大変だよね』と去っていきました」 「週に数回あったカスハラが、今はほとんどなくなったそうです。効果てきめんですね」 鈴江アナウンサー 「カスハラをしようと思ってしている人はいないでしょうから、意識のギャップのようなものがあると思います。こういったものを見ることで気づきになって、抑止効果を生むということは実際あるんですね」 小野解説委員 「自覚なくカスハラをやっている人が、気づくきっかけになればと思います。そして、カスハラ対策にみんなで取り組む機運が高まればと思います」 (2024年10月4日午後4時半ごろ放送 news every.「#みんなのギモン」より)
【みんなのギモン】 身の回りの「怒り」や「ギモン」「不正」や「不祥事」。寄せられた情報などをもとに、日本テレビ報道局が「みんなのギモン」に応えるべく調査・取材してお伝えします。(日テレ調査報道プロジェクト)