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コロナ禍なのにではなく、コロナ禍だからBlack Lives Matter運動は広がった

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ニューズウィーク日本版

社会心理学で読み解く黒人差別反対デモ拡大の理由。未知のウイルスに怯えていた人々が社会運動に生きる意味を見いだした。本誌「Black Lives Matter」特集より。

【パム・ラムズデン(英ブラッドフォード大学心理学講師)】白人警察官に首を押さえ付けられたジョージ・フロイドが、「息ができない」と訴え、絶命する映像は、多くの人の脳裏に焼き付けられ、永遠に忘れられることはないだろう。その衝撃的な映像は、事件が起きたミネソタ州ミネアポリスだけでなく、全米そして世界各地でBLM(ブラック・ライブズ・マター=黒人の命は大事)運動に火を付けた。 【画像を見る】イエス・キリストは黒人? 最もイエスの実像に近い描写 警察の過剰暴力によって黒人が無残に殺されたのは、フロイドが初めてではない。これまでにも、数え切れないほどの黒人が似たような状況で命を落とし、その度に改革を求める声が上がっていた。だが、今回のように、ニューヨークから南アフリカのケープタウンまで、あらゆる年代と経歴の人々が抗議デモに参加したことはなかった。 そこには、新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)と、現代人のソーシャルメディアの消費方法が大きく関係している。 新型コロナの感染拡大を防ぐために、多くの都市でロックダウン(都市封鎖)が敷かれると、人々がソーシャルメディアで費やす時間は急増した。家に籠もって感染者や死者の急増、医療崩壊、家族との別れといった陰鬱なニュースばかりを延々と消費し続け、ますます暗い気分になる現象は、「ドゥームスクローリング」という新語まで登場させた。 さらに、新型コロナは未知のものへの不安と恐怖も生み出した。マスクは効果的なのか、PPE(個人用防護具)はどこまで必要なのか、どうすれば検査を受けられるのか──。ソーシャルメディアには間違った情報や嘘もはびこっている。 かねてからソーシャルメディアが、鬱病や不安障害を引き起こす可能性があることは、多くの研究で指摘されてきた。最近では、ソーシャルメディアにさまざまな投稿をして、積極的に交流に参加する人よりも、コンテンツを読んでいるだけの人のほうが、ストレスや鬱や不安を感じやすいという研究結果もある(ただし実際にはその逆で、鬱や不安を抱える人は積極的に投稿をしないのかもしれない)。

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