金本監督は打者目線での馬場評を口にした。 「まだ100パーセントじゃないでしょう。変化球には自信をもっているよう。フォームは固まっている。怖さ、荒々しさはないが、もっとスピードはあがって来るだろう」 　馬場は仙台大へ進み球速がアップ。最速は155キロだった。まだ10キロほどベスト時よりも不足しているように見える。ちなみに同校は2年前に横浜DeNAにドラフト2位指名された熊原健人を送りだすなど、近年メキメキと力をつけている東北の実力校である。 　おそらく金本監督は、キャンプ、オープン戦では馬場を先発で試すのだろう。だが、阪神の先発争いは、メッセンジャー、秋山拓巳、藤浪晋太郎、能見篤史、岩貞祐太、小野泰己、青柳晃洋、岩田稔と、すでに8人の名前がさっと出てくるほど熾烈（藤浪や岩貞ら不確定要素のあるピッチャーも多いが）。この争いに勝ち残るためには、よほどの結果を残さねば厳しいだろうが、これだけコントロールのまとまっている実戦派ならば、中継ぎにスタンバイさせても、十分に戦力になるのかもしれない。 「ストレートも変化球もまったく納得いっていません。ストレートももっともっと磨いて向上心をもって地に足をつけてやっていきたい。まずはプロのレベルを知ることが大切だと思います。ルーキーですから元気だけは出していきます」 　コメントにクレバーさもある。 　ドラフトで清宮幸太郎（日ハム）、安田尚憲（ロッテ）を外しての「外れ、外れ1位」で、ソフトバンクとの競合の末、金本監督が引き当てた馬場は、なにかしらの形で今季からプラス戦力として作用するだろう。　 　きっとセ・リーグの各打者を煙に巻くに違いない。 （文責・本郷陽一／論スポ、スポーツタイムズ通信社）